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仕事納めと新年準備で頭痛が悪化? 年末年始を快適に過ごすコツ

仕事納めと新年準備で頭痛が悪化? 年末年始を快適に過ごすコツ

LIFE STYLE 雲の上の診察室

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年末年始の過ごしかた

2024年も、残すところわずかとなりました。そこで今月号では、年末年始の健康的な過ごし方、そのヒントをご紹介したいと思います。

旧年中に片付けなくてはならないことは山積、そのうえ、新年の準備まで……たとえ師ではなくとも走り回る、それが12月というもの。でも、ここで頑張りすぎてしまうのは要注意。私の頭痛外来の患者さんのなかには「正月早々に寝込んでしまった」という方も少なくありません。頑張った12月から長期の休暇に入った途端、一気に緊張が緩んで脳の血管も広がり、痛みが起こりやすくなってしまうからです。

日ごろから頭痛に悩まされている方は「寝正月」も御法度。朝寝坊をしてしまうと、それだけ朝食を摂る時間が、いつもより遅くなります。結果、血糖値もいつも以上に下がってしまって、またしても脳の血管を広げ痛みの引き金につながるというわけです。

私がいつも患者さんたちに話しているのは「12月に突入したら早々に、仕事のペースを年末年始モードに移行しましょう」ということ。年末のギリギリまで猛烈に働いて一気に休む、この緊張と緩和の落差こそが危険なのです。ですから、12月に入ったら徐々にペースを下げていきます。場合によっては、来年に仕事を持ち越してもかまわない、そう覚悟を決めましょう。

そして、新しい年を迎えても、基本的にはいつもと同じ時間にまずは起きて、必ず朝ごはんを食べましょう。朝食さえとってしまったら、あとは思う存分のんびり過ごしてくださって結構です。そうするだけで、幾分か頭が痛くなる可能性を抑制できるはずです。

新しい年の始め、皆さまの敏感な頭がどうぞ痛みませんように。そして2025年も皆さまにとって、良い一年となりますように。

笑顔になる処方箋

いつもの時間に起きて、朝ごはんを食べましょう。寝正月は禁物です

脳神経外科医・清水俊彦(しみず・としひこ)

脳神経外科医。医学博士。1958年、京都府生まれ。日本医科大学医学部卒業、東京女子医科大学大学院博士課程卒業。現在、東京女子医科大学をはじめとする複数のクリニックで頭痛外来を担当し、一日あたり数百人の患者さんを診察する、頭痛研究の第一人者。著書やメディアへの出演も数多い。