谷川岳の自然を抱くプライベートサウナで潤う〜Deportare Trip vol.3
サウナの聖地「サウナしきじ」(静岡県)の娘である笹野美紀恵が、数々のサウナや温浴施設をプロデュースしてきた経験と、女性の視点で選りすぐりのスポットを紹介します。
「Deportare Trip〜旅で潤う」連載第3回目は、群馬県谷川温泉での名宿「別邸仙寿庵」。閑静な山間部に佇む一軒宿は、自然を抱くように設計され、自然を壊さず、もともとの地形を活かすように作られました。全面ガラス張りの大きな窓のあるロビーや客室へとつながる曲面廊下からは、日本百名山「谷川岳」を望む日本庭園を眺めることができます。
大浴場「仙の蔵」は、ヒバの木に漆を塗った朱色の浴槽が和モダンな佇まい。豊富な湯量を誇る湯は低張性弱アルカリ性温泉で、クレンジング効果がある美人の湯です。併設の低温ミストサウナとの交互浴でお肌もツルツル。目の前に谷川が流れる露天風呂では森林浴を堪能できます。
いっぽう、巨大な石を削って作られた浴槽が印象的な大浴場「一の蔵」は男性らしい雰囲気。2年前にリニューアルしたドライサウナには、備長炭が壁全体に敷き詰められました。「炭には遠赤外線効果があり、熱伝導をよくしてくれる」とフロントスタッフの岡村竜輝さん。
100%源泉かけ流しの湯は、無色透明でやわらかい水が特徴。粗熱をとった温泉水は、水風呂にも使用されています。心地よい風を感じるととのい場に向かうと、籐のリクライニングチェアがお出迎え。川の音に耳を傾けながら、しばし目を閉じて深呼吸……。
11月には、川沿いに設えた完全貸し切りのプライベートサウナ(4名まで使用可)がオープン。眼下に広がる自然を楽しみながら体を蒸したら、自由に川原に降りて清流の中へ。自然と一体となる贅沢な時間を満喫しました。
「自然との融合をテーマに、お客様が自分の邸宅のように過ごせるような宿づくりを目指しています。四季折々の美しい自然は格別で、12月の中旬になると、雪化粧した谷川岳を見ながらの湯浴みが最高ですよ」と社長の久保英弘さん。
名峰を借景に、川のせせらぎを聞きながら温泉にゆっくりと浸かる。これぞ、至極のくつろぎの時間です。今年も残すところ1ヶ月。非日常のラグジュアリー空間で1年間の疲れを癒しませんか。
案内人:笹野美紀恵
温浴施設などの事業コンサルタント会社「ONEBLOW」代表。元ミスインターナショナルファイナリスト。心と身体をリトリートするサウナの新しい入り方を伝える「SAUNAGE」として活動中。
写真:福田ヨシツグ
別邸仙寿庵
tel. 0278-20-4141
群馬県利根郡みなかみ町谷川614
谷川岳の麓に佇む「旅館たにがわ」の別邸として1997年に開業。18室の客室は全て源泉かけ流しの露天風呂付き。おもてなしや質の高い料理などの条件を満たす一流ホテルやレストランのみに認められる「ルレ・エ・シャトー」に加盟している。
関越自動車道水上ICより車で約10分
公式サイト:https://www.senjyuan.jp