直行便で北欧へ ANAが変えたスウェーデンへの旅
かつてスウェーデンへの旅は、ヨーロッパ各都市での乗り継ぎが常識だった。だがANAの直行便が就航し、そのルートは一変した。羽田から乗れば、降り立つ先はすぐにストックホルム。北欧の街の空気を旅の最初に味わえる贅沢がある。運がよければ、機窓からオーロラに出会えるかもしれない。

日本の航空会社の中で、唯一スウェーデンへの直行便を就航させているANAで、快適な機内サービスで空の旅を味わい尽くし、運よく機窓からオーロラを鑑賞できたら最高の気分だ。
これまでスウェーデンへは、ロンドン、パリなどヨーロッパ各国の空港でトランジット。スターアライアンス加盟航空各社のラウンジでのんびりと飲食しながら乗り継ぎ便を待つというのが長年のルーティンだった。
それも私の楽しみのうちのひとつではあったのだが、羽田から乗って降りたらすぐに北欧の古都、独特の異国の香りに包まれるというのは実に新鮮な気分だ。
昨年の新規就航初便に搭乗した際は、毎度お決まりのタッチで、往路便と同じ機体に乗ってすぐに帰ってきた。周りからは、たった3時間のストックホルム、それも空港の中だけの滞在なんて勿体(もったい)なさすぎると言われたが、なにが勿体ないのか理解に苦しむ。こんなに楽しいお祭気分の初々(ういうい)しいフライトを往復で楽しまないほうがよっぽど勿体ないと思ってしまう私。
まぁ、そうは言ってもせっかくスウェーデン、ストックホルムまで行くのなら、あれこれ楽しみたいという方々には、目一杯古都を探索、楽しんでもらいたい。
所用(サンタクロースの寄り合い)で訪れていても、滞在中毎回決まって足を運ぶのが旧市街のガムラスタン。ストックホルム中央駅から徒歩で10分少々。運河に架かる橋からはノーベル賞の晩餐会場になっている市庁舎と王宮を一望できる。
橋を渡れば石畳の細い路地と中世からの建築物がそのまま残る、まるでゲームの世界に迷い込んだかのような気分にどっぷり浸れる。観光客向けの土産物店が並ぶヴェステルロングガータン通りと平行するプレストガータン通りへ入ると、キャラクターのコスプレ衣装で街歩きをしたくなるほど中世の世界観だ。さらにガムラスタンで最も狭い道幅90センチの階段状になっている路地モーテントローツィググレンでは、私のような体型とそれ以上の人だとすれ違えない。
念のため、スウェーデンのグルメといえば、本場のバイキングスタイルのスモーガスボードが有名だが、ここ最近スウェーデン国内では日本食ブームが起きていて、街中でラーメン、餃子、寿司の看板を目にする。
遠くてロンドン、近くではコペンハーゲンの寿司レストランで修業したとかいう職人たちが握る寿司はあまりにも斬新すぎる。日本の回転寿司チェーンの奇抜なメニューを遥かに凌(しの)ぐニュージェネレーション寿司しか出てこない。カラフルでアボカドを多用した寿司を是非味わっていただきたい。
〜つづく
イラストレーション/ソリマチアキラ
パラダイス 山元 | ぱらだいす やまもと
プロ搭乗客。 ANA ミリオンマイラー。音楽家。餃子レストラン「荻窪餃子 蔓餃苑」オーナーシェフ。著書に『読む餃子』、英語版・フランス語版餃子レシピ本『GYOZA』、『パラダイス山元の飛行機の乗り方』『なぜデキる男とモテる女は飛行機に乗るのか?』などがある。全国各地で開催中の「皮からつくる本気の餃子づくり教室」などの出演イベントの詳細は X(旧Twitter) で発信中。
X @mambon