マルタ旅行　小さな島に詰まった世界遺産と地中海の絶景旅【翼の王国厳選】

翼の王国5月号は文化、料理、音楽、才能などが交わる特別な場所、マルタの特集でした。マルタを旅すると、まるで時間がゆっくりと流れるように感じられます。古の騎士団が築いた壮麗な街並みを歩けば、歴史の重みに心打たれ、どこまでも続く青い海に身をゆだねれば、日常の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。
本記事では、マルタの歴史的な背景と、言葉を失うほどの絶景スポットに焦点を当て、その魅力を深く掘り下げていきます。さあ、時を超えた旅へ出発しましょう。

ヴァレッタ（Valletta）

地中海の陽光に照らされるマルタの首都ヴァレッタは、街全体がユネスコ世界遺産に登録された城塞都市です。聖ヨハネ騎士団によって築かれたこの街は、碁盤目状の石畳の通りにバロック様式の建物が整然と並び、歴史と美が調和しています。
聖ヨハネ大聖堂では、カラヴァッジョの傑作「洗礼者聖ヨハネの斬首」が静謐な空間に展示されています。騎士団長の宮殿では、かつての栄華を感じられるでしょう。また、アッパー・バラッカ・ガーデンからは、グランドハーバーと三都市を一望でき、訪れる者に深い感動を与えます。
ヴァレッタは、歴史的な重厚さと現代の活気が融合した、歩くだけで物語が紡がれるような特別な場所です。

イムディーナ（Mdina）

マルタ島の中心部にあるイムディーナは、中世の趣を色濃く残す城塞都市で、「静寂の街」として知られています。かつて首都だったこの街には、現在もわずか250人ほどが暮らしており、外部からの車の乗り入れが制限されているため、石畳の路地には馬車の音だけが響いています。
アラブ時代の影響が色濃く残る迷路のような細道、荘厳なバロック建築の聖パウロ大聖堂、歴史ある貴族の邸宅パラッツォ・ファルソンなど、歴史的建造物が随所に点在。歩みを進めるごとに、中世の風景が眼前に広がっていく感覚を味わえます。
街は高台に築かれており、城壁からは広がるマルタの田園地帯を一望できます。観光客の足音もまばらで、都市の喧騒から離れて歴史の深さをじっくりと感じたい人にとって、心落ち着くひと時が待っているでしょう。

コミノ島 ブルーラグーン

マルタ島とゴゾ島の間に浮かぶコミノ島のブルーラグーンは、地中海でも屈指の透明度を誇る入り江です。白砂が広がる海底と浅瀬が陽光を受け、澄み渡るターコイズブルーの水面が広がります。船の影がそのまま海底に映るほどの澄明さに、思わず足を止めて見入ってしまうほどです。
周囲には石灰岩の断崖や海食洞が広がり、シュノーケリングやカヤック、ゆったりとした遊泳など、自然を体感できるアクティビティが充実。近くには小島コミノットや、より静かな入り江であるクリスタルラグーンもあり、探訪の幅が広がります。
日中の光に照らされたブルーラグーンは、写真で見た以上の美しさを実感できる場所。マルタを訪れるなら、ぜひ旅程に加えておきたい景勝地です。

ゴゾ島（Gozo）

ゴゾ島は、マルタ本島の北西に位置する、自然と歴史が息づく穏やかな島です。島の中心部にある要塞都市チタデルでは、壮麗なゴゾ大聖堂や、天井に描かれた遠近法を駆使しただまし絵が、訪れた人の目を引きます。
島東部には、紀元前3600年頃に築かれたジュガンティーヤ神殿があります。世界でも最古級とされるこの巨石建築は、ユネスコの世界遺産にも登録されており、隣接のインタープリテーション・センターでは、新石器時代の暮らしや出土品についての展示を通して、背景を深く理解できるでしょう。
北部の海沿いに広がるソルトパンは、およそ350年の歴史をもつ塩田が格子状に並び、今も伝統的な製法で塩が採られている場所。赤砂が印象的なラムラ湾のビーチや、のどかな漁村の風景が広がるシュレンディー湾も旅のアクセントとなり、ゴゾ島ならではの多彩な表情を味わえます。

マルサシュロック（Marsaxlokk）

マルタ島南東部にあるマルサシュロックは、カラフルな「ルッツ」と呼ばれる伝統的な漁船がゆったりと浮かぶ、絵画のように美しい漁村です。港沿いには魚介を扱うレストランが建ち並び、昼どきには焼きたてのシーフードを求める人々のにぎわいが目を引きます。
日曜日には、海辺で開かれる大規模な魚市場がこの町の風物詩となり、地元の人々と観光客が集まって活発なやりとりが繰り広げられます。平日でも、小さな屋台が並び、お土産やローカル食材を求める旅行者の足を止めるスポットです。
周辺には、新石器時代の宗教施設とされるタス・シルジや、波しぶきが岩を洗う天然の入り江セント・ピーターズ・プールといった名所も。自然と歴史が交差するこの一帯では、マルタの素朴な魅力を味わえます。

ポパイビレッジ（Popeye Village）

マルタ島北西部のアンカーベイにあるポパイビレッジは、1980年公開の映画「ポパイ」のために建てられた撮影セットです。港に面して並ぶ19棟のカラフルな木造建築が、映画の舞台「スウィートヘイブン」の雰囲気をそのまま伝えています。
現在はテーマパークとして整備されており、ポパイやオリーブ、ブルートといったキャラクターが園内を歩き回り、写真撮影やショーなどの催しを通して来場者を迎えています。建物内では撮影に使われた小道具や当時の映像も展示されており、作品の世界観をじっくり味わえるでしょう。
海沿いという立地を生かし、ボートツアーや水上トランポリンなどのアクティビティも充実。映画ファンはもちろん、子ども連れでも1日楽しめるスポットです。
なお、園内には傾斜や段差が多いため、足元に不安がある場合は事前に公式情報でバリアフリー対応を確認しておくと安心です。

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