メインコンテンツにスキップ
ハワイの空に込められた想い 「ヤシの木より高い建物は禁止」を守るカウアイ島

ハワイの空に込められた想い 「ヤシの木より高い建物は禁止」を守るカウアイ島

TRAVEL 2025.12 カウアイ特集

share

ハワイの島々の中、カウアイ島にはワイキキのような喧噪も、マウイのようなラグジュアリーさもない。あるのは独特の静けさ。その理由のひとつが、「ヤシの木より高い建物を建ててはいけない」という島のルールがある。

そもそもは、ハワイ全体に敷かれたルールだったものが、オアフ島やマウイ島、ハワイ島では随分と前からルールが破られている。高層ホテルが立ち並び、ヤシの木は見上げられる側から見下ろされる側になってしまっている。

だがカウアイには未だにルールは健在、守られている。空が広く、雲が低く、風が通る。その景色に高層建物が割り込む余地は、今のところほとんどない。

高さ制限はおよそ12〜14メートル。ビーチ沿いに立つホテルもどこか控えめで、空と海とヤシの木のバランスを壊さないように建てられている。自然が主役で人間はその“背景”ということなのだ。

と聞いて、「プリンスヴィルは」と疑問を抱いた人は、ちょっとしたカウアイ通。リゾート開発が進む1970年代、他島のような高層ホテル建設の話も出たが、住民の反対が根強かった。結果として、プリンスヴィルは高層を避け、丘陵地を利用した段階的な建築にしたことで、視界のどこにも圧迫感がない。リゾートでありながら、空の広さと自然の息づかいを失わなかったのだ。

本来のルールを守ればNGだが、“ルールを守った”というより、「空を共有する」ための知恵を絞った、ということかもしれない。

“高さを競わない”ということは、島の人々の暮らしのリズムを壊さないことにつながっているように思う。朝は太陽が昇るのを眺め、夕方はその沈む先を見送る。その間、空を遮るものはなく、建物も、人の欲も、控えめなのだ。

最近では観光客も増え、ビリオネアも移り住んでいるという話を聞く。それでもこのルールだけは守られている。

つまり、この島では空が共有財産なのだ。

ヤシの木の高さを超えないというのは単なる規制ではなく、「自然に敬意を払う」という信念の表れ。だからこそ、カウアイの空は今も広い。

太平洋を見渡すカウアイの空は、どこまでも自由。夕暮れ時、金色に染まる雲の下を通ると、ヤシの葉の影が地面に揺れ、風が音を運ぶ。人々は広い空の下、この風景の中で育ち暮らしてきた。

だからこそ、この島では「空を奪わない」ことが、何よりのマナーであり、誇りでもあるのだと、そんな気がする。

取材・文 山下マヌー 
写真 高砂淳二

カウアイのおすすめホテル

  • シェラトンワイキキビーチリゾート (Sheraton Waikiki Beach Resort)

    立地はワイキキの中心で ショッピングモールや人気レストランが徒歩圏内にあり、観光拠点として便利です。ワイキキビーチに面し、大人専用の絶景プールとウォータースライダー付きのファミリー向けプールを両方楽しめます。
    TEL : (808)922-4422
    詳しくはこちら

  • アウトリガー ワイキキ ビーチコマー ホテル

    カラカウア通り沿い、インターナショナルマーケットプレイスに隣接する最高の立地です。ワイキキビーチまでわずか数分でアクセスでき、観光の拠点として非常に便利です。
    TEL : (808)922-4646
    詳しくはこちら

  • ハイアットリージェンシー ワイキキ ビーチ リゾート アンド スパ (Hyatt Regency Waikiki Beach Resort And Spa)

    カラカウア通り沿いに建つ2棟のタワーが目印で、客室の多くからオーシャンビューを楽しめます。充実したスパ施設と、開放的なプールデッキ、多彩なダイニングオプションを提供するフルサービスリゾートです。
    TEL : (808)923-1234
    詳しくはこちら