アップルワイン&グリーンソースでドイツローカルを極める(フランクフルト)〜ドイツの優しさに触れる旅vol.4
世界最大級のクリスマスマーケットを開催
フランクフルトの人気観光地・レーマー広場
フランクフルト旧市街の中心地で、旧市庁舎や聖ニコライ教会が並ぶレーマー広場。1393年から続く世界最古のクリスマスマーケットはその規模も世界最大級。毎年数百万人の人々が訪れる。
「ドイツに来てからジャガイモが好きになりました。種類も日本より豊富で、調理法に合わせてイモを選んでいます」(案内人・伊東楓)
大聖堂やレーマー広場から北へ5分ほど歩くと、フランクフルトの台所と呼ばれる市場「クラインマルクト ハレ」がある。生鮮野菜や果物をはじめ、ソーセージやハム、パン、チーズ、ワインもあって、お花まで揃う。
とにかく驚いたのは、どこもかしこも整理整頓されていることだ。精肉店にぶら下がっているソーセージも、お惣菜屋さんの料理もキレイに並べられているし、野菜や果物はピカピカに磨かれていて見た目も美味しそう。
地元でも人気のソーセージ屋さん「メッツゲライ・シュライバー」では、茹でたてのソーセージがパンやピクルスと一緒に食べられる。小腹が減ったときにはもってこいだ。
フランクフルト名物といえば、りんご酒(Apfelwein)。マイン川の南にあるザクセンハウゼン地区には昼からアップルワインを楽しめる居酒屋が立ち並ぶ。オーダーのとき、いつものクセで、「とりあえずビール」なんて口にしようものなら大変!「うちの店でビールの話をするなんて!」とウェイターに睨(にら)まれてしまうのでご注意。なぜなら、ビールはいっさい扱っていないからだ。
瓶(かめ)に入ってくるワインを縦長のグラスに入れて、炭酸水で割っていただく。味は、日本で流行りのハイボールに近いのかな? 2022年、アップルワインの文化はドイツの無形文化遺産に登録された。
お勧めは、7種のハーブが使われたグリーンソース「グリュー ネゾーセ」。ジャガイモや固茹でタマゴをソースに付けながらいただく。フランクフルトの家庭料理といわれ、「味は店によって違う。フランクフルトの人なら、みんな自分の好みの店を持っている」とはローカルの弁。
ドイツ料理はソーセージとジャガイモのイメージが強い。それも確かに間違いではないが、〝意外に〟美味い伝統料理があることもお忘れなく!
ドイツの食文化を感じるなら“市民の台所”へGO!
市場の野菜売り場では、グリューネゾーセで使う7種のハーブがセットで売られている。
Kleinmarkthalle(クラインマルクト ハレ)
フランクフルト名物! アップルワインに舌鼓
アップルワインはブルーの模様が美しい陶器製の瓶に入ってくる。
Adolf Wagner(アドルフ・ヴァーグナー)
写真:yOU コーディネート:ケン若月 取材・文・編集:服部広子