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イエローナイフ・ツアーで目撃したオーロラの舞 美しくも恐怖さえ感じるひと時

イエローナイフ・ツアーで目撃したオーロラの舞 美しくも恐怖さえ感じるひと時

TRAVEL 2025.02 カナダ・イエローナイフ特集

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オーロラに関する質問で最も多く聞かれるのが「いつでも見られるのですか?」というもの。それは質問というより不安な気持ちの現れのようでもある。それはそうだ。日本から時間とお金をかけわざわざやってきたのに、オーロラが出現してくれなかったら…。一体何をしに来たのだ?!と虚しくなるのは必至だ。

そこで先程の質問の回答だが、「3日滞在すれば見られると思う」という回答が最も多いのではないだろうか?ツアー会社のパンフにも「3日程度の滞在でほぼ確実にオーロラと出会えます!」なんて文言が踊っている。実際それは概ねあっていると“思う”。

前回の「カナダ・オーロラツアー体験記 “Go East!” アプリと勘で追う北極圏の奇跡」に書いたように、到着翌日我々は現地のオーロラ観測ツアーに参加。深夜から明け方にかけ、オーロラを追い求めて約200キロ。結果は「なんとなく」見えたというもの。イエローナイフ及び近郊に雲が覆っていたためだ。

▶︎ カナダ・オーロラツアー体験記 “Go East!” アプリと勘で追う北極圏の奇跡

しかし本日の天気予報は「快晴」。そこで我々は自分たちでオーロラを追い求めることに。前回書いたように、オーロラが出現するのは深夜から早朝にかけて。22時にホテルを出発し、雲のない方へ向かってクルマを走らせること約100キロ。すると上空にオーロラが現れ始めた。クルマの中からでもはっきりと確認できる明るさのオーロラが出現。

遠方の明るくなっている空に向かって更に走らせた先の小さな公園にクルマを停め、オーロラがやってくるのを待つことに。そう、オーロラは動いているのだ。だからなんとなくこちらに来そうというのを予想する(というより願望に近い)。予想は見事に的中。次々に現れる美しい宇宙からの光のカーテン。その姿を先住民族の一人は「天使が羽ばたいている様子」と言った。

空一面を覆う黒緑色したオーロラの降り注ぐ光。いきなり現れ空一面に広がり、次に縮んだかと思うと今度は渦のように中心部が周りだし、光の渦が拡散して地上に降り注ぐ。まるで自分に襲いかかってくる、そんな錯覚に陥ってしまった自分にとって、その様は天使というより悪魔に抱かれどこかに連れて行かれてしまうような、美しくも恐怖な気持ちさえをも抱かせたのは本当だ。

しかしそれにもやがて慣れ、我々取材チームは心からオーロラのダンスを愉しんだ。次々やってきては素晴らしい輝きと煌めきを見せてくれたあと、遠くの空に移動していくオーロラ群(群という表現が適当なのかどうかはわからないが)を撮影していた時間。それは大袈裟でもなんでもなく、過去の旅の中でも最高に美しい風景と対峙し、撮影している時間だったことは間違いない。

写真 高砂淳二
取材・文 山下マヌー

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