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カナダ・オーロラツアー体験記 “Go East!” アプリと勘で追う北極圏の奇跡

カナダ・オーロラツアー体験記 “Go East!” アプリと勘で追う北極圏の奇跡

TRAVEL 2025.02 カナダ・イエローナイフ特集

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世界でも有数のオーロラ出現率を誇るのが、カナダノースウエスト準州のイエローナイフ。しかも2024年から2025年にかけて世界的なオーロラの当たり年。幸いイエローナイフへのゲートウェイであるバンクーバー国際空港は、ANAで毎日直行便が飛んでいる。「翼の王国」で取材に行かないという理由はないのだ。

オーロラとは、太陽から飛んでくるプラズマが地球の大気とぶつかり、高度によって色の違う光を発する…とまぁ簡単に説明すればそんな仕組みらしく。

地球が太陽の反対側を向いている夜間の方が、エネルギーの伝達が効率的になることから、出現するのは深夜から早朝にかけて現れることがほとんど。稀に昼間に現れることもあるのだが、明るいために気が付かないことも多いらしい。

オーロラ観測の条件は暗ければ暗いほど、そして深夜であればあるほど整うという。だからほぼすべてのオーロラ観測ツアーの出発時間は22時過ぎ。遭遇できるまでオーロラを追い求めてクルマを走らせるのだ。ツアーの中には一箇所に留まりオーロラの出現をひたすら待ち構えるというスタイルのものもある。しかしそれだと、その場所にオーロラが現れなければ見ることが出来ない。なのでオーロラを追い求めて走るツアーのほうが個人的にはオススメだ。

先住民族のジョーさんがガイドするツアーはオーロラを求めて一晩に100キロ近く走ることもある。頼る道具はアプリ。今の時代、オーロラがどの方向に何時頃出現するのかさえもアプリでわかるのだ。アプリから情報を読み取り、そこに彼の勘を加え方向を定めたら「Go East!」とクルマを向かわせる。走らせる方向を決定づける際、非常に重要なのが“彼の勘”。アプリを読み取るだけなら誰にでもできる。しかしその方向に雲があるのかないのか、湖があり大気との気温差で水蒸気が発生してモヤがかかっていないか、風の向きはどうか、人工の明かりは一切無いかどうか…など彼の経験からくるあらゆる勘を働かせて進路を決めるのだ。

アプリと勘を頼りにクルマを走らせ、彼のヒミツの観測ポイント数カ所でしばらくオーロラの出現を待ち構える…。そんなオーロラハンターともオーロラチェイサーともいえる行動は、同じ自然相手のドルフィンウォッチや良い波を追い求めるサーファーにも通じるものがあると感じる。そして自然相手であれば、空振りで終わることだってある。それがこの手の旅の宿命。

今回我々が参加した日は、生憎エリア全体を雲が覆っていて、ナショナルジオグラフィック誌で見るようなオーロラを拝むことは叶わなかったのだが、それでも西へ東へと200キロ近く移動し、うっすらとその姿を確認することができた。

しかしがっかりすることはない。明日の天気は「快晴」予報。プラズマが地球に向かってたくさん飛んできているはず。きっと素晴らしいオーロラと遭遇できるに違いない…ということで「素晴らしいオーロラ」と遭遇した次に続く。

写真 高砂淳二
取材・文 山下マヌー

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