精油にジュース、リキュール…果実を丸ごと使い切る〜〝未来〟を紡ぐ徳島3
神山町の隣、佐那河内村にある「山神果樹薬草園」は、石鹸をはじめとする日用品のメーカー、松山油脂が開いた農園。和柑橘の活用法を研究しながら、柚子やすだちの精油や飲料、酒類などを製造しています。
注目したいのは、果実を丸ごと使い切る製造工程。外皮から精油を抽出し、果肉から果汁、種子からはエキスを。内皮や袋はリキュールへと生まれ変わらせます。さらに、残渣までも農園内にあるコンポストハウスで、竹パウダーや椎茸菌床などと合わせて堆肥化。完全無農薬化に向けて、新たな栽培方法についてもトライを続けています。
農園を散策するだけでも楽しいのですが、時季によってはもぎたてのみかんを食べられることも。さらに、ほっとひと息つけるカフェや、同社の各種製品が並ぶショップも併設。柑橘の味わいや香り、そして里山の景色から、自然の恵みをたっぷりと享受できる場所です。
柚子は冬、すだちは夏など、季節ごとに収穫時期を迎える柑橘たちの、日々育っていく様子が眺められるテラスのあるカフェでは、農園で育った柑橘のスイーツやドリンクを。「柑橘のソーダ」500 円と「柚子のチーズケーキ」380 円。独自製法による凝縮され酸味が爽やか。
農園で育つ和柑橘について説明してくださった広報担当の下田毬絵さん。約 17,000 平米もの広大な敷地は自由に散策することができます。
しぼり酢やジュースといった食品のほか、スキンケア製品も豊富にそろうショップ。ハンドクリームがおすすめ。
山神果樹薬草園
徳島県名東郡佐那河内村下字山神 43-2
TEL 088-679-2277(ショップ)
https://www.yamagamikaju.com
撮影:鈴木大樹
取材&文:吉田けい
編集:小嶋美樹