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本物の沖縄の味を探している人へ——島山羊と発酵に向き合うフレンチで感じる料理人の覚悟

本物の沖縄の味を探している人へ——島山羊と発酵に向き合うフレンチで感じる料理人の覚悟

TRAVEL 2026.03 沖縄特集

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料理と土 「沖縄」という土地が生み出すものがすごい ー私はそれに多少関わっているだけ、それだけ。

「これは沖縄です」
そう言いながら供された料理は、小島圭史(おじまけいじ)シェフの言葉通り沖縄のテロワールそのものだった。

小島さんは食材へ手間を加えることを手立てと言う。酵母・乳酸・酢酸発酵や熟成などさまざまな手立てで食材の可能性を引き出す。調味に塩は使わない。白菜の酢を塗って焼いた島山羊(しまやぎ)の肉を噛み締めると肉の旨みと優しい酸味の後に塩みを感じた。

経産牛を再肥育し、有害鳥獣類や老齢の島山羊も適切な手立てをして食材の価値を見出すシェフ。料理人とは?

「一次産業の方々とお客様の間に介在するだけ。食の現場の人々の仕事を皿の上にちゃんと表せるか、そこに尽きます」
知らなければ通り過ぎてしまうカウンター6席の小さなフランス料理店には食の可能性と喜びが溢れていた。

店は出張料理店でアトリエとして使用していた場所。漆喰を塗り、カウンター席を作り、内装を整えてほとんど自力で完成させた。
発酵中の甕の中。培養中の酢酸菌、ガルム(魚醤)をひいたスク(アイゴの稚魚)のガラ、乳酸発酵から酵母発酵に転じ中のレンブとシークヮーサー、下にガルムが溜まっている発酵中のミジュン、沖縄産うずら豆の味噌、塩漬けにした後で乾燥中のエバなどほんの一部。古村其飯さんの呼吸する甕を使用。

【上】熟成庫でフサンタージュ(=熟成)中のジビエや自家製生ハム。

「琉球猪」セルヴェル・ド・カニュ(自家製フロマージュ・ブランを使ったソース)の上に琉球猪の自家製生ハム、近くで摘んだスミレ、カタバミ、ツボクサ、タチアワユキセンダングサ、チドメグサなど花と葉あわせて11種類の草花をあしらって。
「島山羊」沖縄の在来で老齢(6歳)の島山羊の骨付き肉に、白菜を酢酸発酵させて造った酢を塗りながら酢の風味を焼き付けるように炭火焼きに。ポットマリーゴールドの花と葉のマリネ、名護で栽培される生胡椒の塩漬け、白菜の酢に漬けたカラシナの種、黄色くなるまで熟させた後に乾燥させたケールを添えて。山羊肉は部位ごとに適切な熟成をはかり、マリナードで肉のタンパク質を分解して柔らかくするなどの“手立て”がされ、老齢の山羊肉が極上の肉に。盛り付けたのは古村其飯さんの「南蛮角皿」。

Mauvaise herbe モヴェズ エルブ

沖縄県うるま市 *住所は予約成立後にお知らせ

https://mauvaiseherbe.okinawa.jp

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