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児島ジーンズの藍染め 世界が認める岡山の“青”の秘密

児島ジーンズの藍染め 世界が認める岡山の“青”の秘密

TRAVEL 2025.04 岡山特集

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ものづくりを極めて目指す世界に誇れる“青”の姿

昨今、岡山の名が世界的に知れわたった要因として、児島の存在を看過することはできない。ここはかつて綿花の栽培から帆布(はんぷ)や足袋(たび)、学生服の生産が盛んに。60年代より米国文化の影響でジーンズの生産を始めたが、品質のよさに海外のトップブランドやコレクターからの需要が増した。

その根本にあるのは日本古来のものづくりの姿勢であり、ジーンズを彩る“青”を追求するひたむきな情熱。児島を“ジーンズの聖地”として盛り上げてきたアパレル・テキスタイルメーカーの「ジャパンブルー」では、主流のインディゴ染めとは別に昔ながらの製法を守る藍(あい)染め工房を所有する。

職人の岡本好春(よしはる)さんによれば「発酵の力で染める藍液は生き物」とのこと。「甕(かめ)の調子は湿度や天候で毎日変わるので、たとえ病気にかかっても必ず混ぜに来んといけません。その代わり、化学染料とはまったく違う奥深い経年変化が楽しめるんです」

糸の奥深くまで色素が浸透し、鮮やかながらも柔らかく奥行きのある風合いが。これを複数回繰り返すと、肉眼ではほぼ黒に見える“ 濃色” に。回数や藍のコンディションで濃淡を染め分ける。

普段は手袋をして作業。素手で触れると指先まで染まってしまうものの、天然藍なればこそ人が触れても安全なのだという。

ジャパンブルーが展開する「MOMOTAROJEANS」では、藍染めに着想を得たこだわりの“特濃ブルー”を世界へ発信。ごく少数のみだが、実際に藍染めの糸を使い手織りで仕立てるプレミアムジーンズも展開する。

児島ジーンズストリートの入り口にある本店前にて。ブランドMD課長の伊吹安広さんも広報の室山麻実(あさみ)さんも、児島のジーンズやその品質に魅せられて入社した。「ゆくゆくはアパレルに限らず、日本のものづくり全体を元気にしていきたい」と意気込む。

現在職人として働くのは岡本さんのみで、管理できる甕は6つが上限。目で見て肌で感じ技術を習得する必要があり、伝授が非常に難しいという。
糸を浸つけた直後は茶がかった緑青色だが、絞って空気に触れると混じりけのない青へと変化する。

MOMOTARO JEANS KOJIMA AJINO

岡山県倉敷市児島味野1-12-17

https://momotarojeans.com

ジャパンブルー

岡山県倉敷市児島味野4047-8

https://www.japanblue.co.jp

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