未来の食を考える「ミツカンミュージアム」 江戸時代から続く酢造り文化は次世代へ
「ミツカン」創業の地で楽しむミュージアム
愛知県半田市にある食品メーカー「ミツカン」が手がける体験型博物館「MIZKAN MUSEUM( 通称MIM)」は、江戸時代に始まった「ミツカン」の酢造りのこだわりや地域の歴史、食文化の魅力などを、見て、触って、体感しながら学ぶことのできる博物館だ。
ミュージアムは「大地の蔵」「風の回廊」「時の蔵」「水のシアター」「光の庭」の各ゾーンに分かれており、ガイドによる解説が付いた全館コースと、「大地の蔵」「光の庭」のみを回るミニコースを選んで予約することができる。
どちらのコースを選んだ場合にも、最初に訪れるのが「大地の蔵」ゾーン。ここには、江戸時代から続く酢造りの手順や道具、酒粕から造られる「粕酢」が発酵している様子を目にすることのできる展示などがある。デジタルを駆使したコーナーも随所に用意されており、酢造りを疑似体験できるアバターゲームには思わず夢中になってしまうこと間違いなしだ。
また、ミュージアムの1階には酢の生産工場があるため、実際に稼働中の工場を驚きの仕掛けで見学することもできる。どんな仕掛けになっているのかは、訪れてみてからのお楽しみに。
美しいのれんの回廊を抜け 江戸時代にタイムスリップ
半田市は「山車祭り」が盛んな地域。その祭りでも使用される、地域ごとの法被のデザインをモチーフにしたのれんが並ぶ「風の回廊」ゾーンでは、この地の歴史を写真と音で体感することができる。その先にある「時の蔵」ゾーンでは、江戸時代に「粕酢」を半田から江戸まで運んでいた、長さ約20メートルの「弁才船」を再現。船の甲板に上がると目の前に大型映像が映し出される仕組みになっており、江戸時代の航海を疑似体感することができるのだ。


解放的な「光の庭」で“未来の食”に思いを馳せよう
「水のシアター」で、食と命のつながりをテーマにした映像を観賞した先には、ミニチュア寿司がずらりと並ぶ、解放的な「光の庭」ゾーンが広がる。ここでは、酢を使ったドリンクの試飲コーナーや、その場で撮った自分の写真をラベルにできる「味ぽんスタジオ」が迎えてくれる。また、人にも地球にも優しい“未来の食”について、デジタルパネルを使って楽しく学ぶことができる「そうぞうファクトリー」「みらいウィンドウ」も人気となっている。
最後に、ここでしか手に入らない貴重な粕酢「千夜」やオリジナルグッズなどが買えるショップに立ち寄り、お土産を購入して帰るのもよいだろう。

この地の醸造文化を長年、牽引してきた「ミツカン」。その歴史を学び、未来の食文化に思いを馳せることのできる体験型博物館には、大人も子供も夢中になる仕掛けがたくさん用意されている。
MIZKAN MUSEUM(MIM)
取材・文 小嶋美樹
写真 秋倉康介
翼の王国のアンケートにぜひご協力ください。ご協力いただいた方の中から抽選で当選した方にプレゼントを差し上げます。