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薩摩切子の復刻 島津で栄え110年の沈黙を破り蘇った幻の伝統工芸

薩摩切子の復刻 島津で栄え110年の沈黙を破り蘇った幻の伝統工芸

TRAVEL 2025.07 鹿児島特集

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切子の中でも細かく繊細なカットと「ぼかし」がきいた、美しい色使いが特徴的な薩摩切子は、江戸時代末期、島津(しまづ)藩営の窯で誕生した。しかし藩主・島津斉彬(なりあきら)の逝去と激動の時代により、わずか二十余年でその製造は途絶え幻となってしまった。

戦火を越えてよみがえる。薩摩の伝統工芸は、人の手から人の手へと生き続ける

ところが約110年の沈黙を経て、1980年代に島津家の手で奇跡の復活。今もなお当時と同じ地で、職人たちが心を尽くし製作にあたる。薩摩切子の製造では、ガラスのベースをつくる“生地づくり(吹きガラス)”と“加工(カットガラス)”の二手に分かれてそれぞれ職人たちが作業に没頭する。そのどちらも過酷さと繊細さを伴い、一人前になるには少なくとも10年の月日を要するという。薩摩切子が復刻して以来ここで働くこの道40年の熟練の匠を目(ま)の当たりにすると、思わず圧倒される。

加工サイドのカットを入れる工程。「ぼかし」と呼ばれる薩摩切子特有の柔らかなグラデーションを出すのが匠の技。
生地作りサイドの工房。吹きガラスの吹き竿は重く、作業は熱さと時間との戦いともいえる。熟練の技でしかなし得ない。

磯工芸館

鹿児島県鹿児島市吉野町9688-24

099-247-8490

https://www.senganen.jp/

鹿児島市の天文館にある、「切子と酒器を愉しむBarすけ」。日本全国の切子(薩摩切子、江戸切子、天満切子)が美しくディスプレイされたカウンター。ビードロ、陶器、金属の酒器も。
好きな酒器を選んで好きな酒を飲むおいしさは格別。次々と飲みたい組み合わせが見つかって楽しい夜に。
2019年のオープンからたちまち人気店となり、福岡にも出店予定。

切子と酒器を愉しむBarすけ

鹿児島県鹿児島市山之口町7-16柚木ビル2F

090-3648-9921 ※電話予約制

https://suke-andmania.com/

Instagram @bar_suke

撮影 神林環
取材・文・編集 中野桜子

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