マイボトルでビールが地元を活気づける 北海道を知る-6
「Brasserie Knot」と前出の「美深白樺ブルワリー」が共通しているのは、地元にしっかり根付いているということ。それによって幸せな循環が実現している。
「Brasserie Knot」らしい幸せな循環とは?
ボトル持参の地元客でも賑わう直売所
Brasserie Knotのロゴマークにもなっている、エゾジカを感じられるタップの取手。道内の芽室在住アーティストDEER HORN SMITH’S制作とのこと。「その場での試飲や缶ビールの購入はもちろん可能ですが、このオリジナルボトルにビールを注いでもらい自宅で楽しむ地元の方が多いです。麦芽カスを肥料として使用してもらっている菊池農場さんもたまにいらっしゃったりして。そうして気軽に利用してもらえるのはとても嬉しいです」
(Brasserie Knot代表・植竹さん)
麦芽カスは廃棄せず、牛の肥料に
醸造過程に出る麦芽カス。捨てることなく再利用できたらと考え、近隣の農家さんに声かけをしたところ、快諾してくれたのが「菊池農業」。「牛たちは好きな時に食べ、自分のタイミングで乳搾り場へ自ら行く。のびのびと過ごしてもらっています。麦芽カスが格別に栄養が高いというわけではないけれど、もちろん肥料にはなるし、捨てるのなら使った方がいい」そう静かに話す菊池さん。
クラフトビールだからこそ地元に根付き、その土地のカラーを色濃く表す。
その背景には、さまざまな形の循環があり、それによって地元から愛される存在となっていく。
クラフトビールのブルワリーに訪れることは、その土地を知ることと繋がっている。
Brasserie Knot
北海道阿寒郡鶴居村茂雪裡69-8
https://brasserieknot.jp/
取材、編集/柿本真希(Lita)撮影/鈴木大樹