世界遺産を望む!世界にひとつだけの絶景サウナ~北海道 雪サウナの贅沢1
景色もクオリティもパーフェクト。もはや世界遺産級と言える唯一無二のサウナとは?
ここは世界遺産の地、知床。目の前に雄大なオホーツク海を一望する。「北こぶし知床 Hotel & Resort」は客室、温泉、サウナすべてに大きな窓を設(しつら)えており、世界遺産である大自然が近く広大に感じられる。いきなり現れた大きな自然を前に、ひとりぼーっと眺めていると、世界中で今、自分だけがこの地をひとり占めしたような錯覚に陥る。2種類のサウナ室は、それぞれ流氷と木の洞窟をイメージしてデザインされており、「KAKUUNA(カクウナ)」と「UNEUNA(ウネウナ)」と名付けられている。知床の山並みを背景に、世界遺産を眺めながら温まることができるのだ。知床に到着した日は雪で、旭川方面から向かう道中、晴れ間がみるみる吹雪へ変わっていった。県をまたいだかと思うくらい景色が変わる。荒れた高波に自然の脅威を感じながら、冷えた体を温めるべくサウナ室へ駆け込む。サウナはフィンランド式で、オートロウリュの水が15分ごとに落ちてくるようになっている。最上階のサウナからふと、下を見下ろすとキツネがちょろちょろと走り回っている。この悪天候のなか無邪気に駆け回るキツネを目で追っていると野生動物や生命の不思議さにかられ、あっという間に滝汗をかいていた。約15度に保たれた水風呂が気持ちいい。隣にある水を飲むと、熱い喉をスーッと通る。北海道北見産のハッカオイルを使った「ハッカ水」だ。そのままインフィニティチェアのカーブに体を預け、世界がゆがんだような幸福感に陥り「ととのう」感覚を満喫する。この一連の流れを繰り返すうえで肝心の、動線もよい。数回ととのい体が熱くなると、露天風呂がある極寒の外気浴スペースに出ても気持ちがいいと感じるようになる。これが北海道サウナか。いっきに私のサウナ体験の上位に躍り出た。室内で聞こえてくるのは、鳥のさえずりや流氷音のBGM。知床の環境の音をもとに作られた心地のよい音は、瞑想を邪魔しない。知床の大自然を五感で感じられるサウナは唯一無二である。そういった意味で、このサウナ環境自体が「世界遺産」と同等の価値を持っていると言っても過言ではない。知床の海に流氷が到来するのは、2月から3月。世界中から人々が訪れる。アクティビティもたくさんあり、流氷の上を特殊スーツを着て歩くことができる「流氷ウォーク」は知床ならではで人気!一度は体験してみたい。
この辺一帯は、肌に心地よいツルツルした感触の「ウトロ温泉街」。インフィニティのようにオホーツク海が繋がって見え、絶景。露天風呂からは世界遺産がガラスなしで見えるので、温まりながら最高の眺めを愉しめる。
サウナストーンはフィンランド産のものを使用。15分に一度ロウリュ水が落ちてくると、一気に室内は蒸気でいっぱいになり、体を芯から温めてくれる。流氷をイメージした「KAKUUNA」と洞窟をイメージした「UNEUNA」は、時間によって男女入れ替えでどちらの景色も楽しめる。
サウナのあとのお楽しみはサ飯!こちらのホテルはお食事も絶品。北海道の海の幸や、ジビエなどの道産の肉、乳製品、雪下で育った野菜など、北海道グルメに溢れている。写真は鮭の漁獲高日本一の知床名物「あっぺ飯」。鮭のヅケをご飯にのせ、だし汁をかける。鮭のおいしさを3段階で味わえるご当地グルメ。朝サウナのあとに朝食でいただき、だし汁が燃焼した体にしみた。
海側客室からは常に世界遺産を見渡せる。朝から夕方まで、変わる景色は見飽きることがない。流氷が流れ着く時季はさらに神秘的。
180余りの客室のうち2部屋は、プライベートサウナ・露天風呂つき。セルフロウリュで自分だけの空間を楽しめる絶景サウナもまた、唯一無二。外気浴スペースに露天風呂までついて、最高の贅沢。
知床までの道すがら、絶滅危惧種のオジロワシに遭遇。オジロワシやオオワシは日本に生息する鳥類で最も大きな体といわれ、越冬で知床へ渡って来る。羽を広げて悠々と飛び回る姿はたくましい。ワシやクマなどをウォッチングするツアーも人気。
KITAKOBUSHI SHIRETOKOホテル & リゾート
〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東172番地
TEL 0152-24-2021
撮影/yOU(河﨑夕子)
コーディネーター/太田泰斗
取材・文・編集/中野桜子