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白神山地の雄大さに触れる絶景スポット【秋田県藤里町・八峰町・熊代市】

白神山地の雄大さに触れる絶景スポット【秋田県藤里町・八峰町・熊代市】

TRAVEL 2025.08 秋田特集

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秋田県と青森県にまたがる約13万ヘクタールに及ぶ白神山地。ブナを主とした落葉広葉樹林が広がるこの森は、古来より「神の住む森」として崇拝され、この地に暮らすあらゆる命に豊かな恵みを与えてきた。また、人為的な影響をほとんど受けないまま、約8000年前からの姿が守られてきたその希少性から、1993年、鹿児島の屋久島と並んで日本初となる世界自然遺産に登録されている。

世界自然遺産の登録地域以外にも魅力が

白神山地と聞くと、そのすべてが世界自然遺産の登録地域だと思っている人もいるかもしれないが、全約13万ヘクタールにおよぶ白神山地のなかでも、世界自然遺産に登録されている森は、その中核部にあたる約1万7000ヘクタールのみ。また、世界自然遺産の登録地域は「核心地域」と「緩衝地域」に区分されており、山の最も奥地にあたる核心地域への入山は、自然保護の観点から厳しく制限されている。

核心地域の周辺部にあたる緩衝地域には登山道が整備されている山もあるので、トレッキングに訪れることが可能だ。しかし、必ずしも世界自然遺産の登録地域まで足を運ばなくても、13万ヘクタールにもおよぶ広大な森には貴重な自然が広がっている。さらに言えば、白神山地だけでなくその周辺地域にも、息を飲む大自然や心打つ絶景は待ち構えている。トレッキングに自信のない人でも、白神山地の美しさに出会うことは可能なのだ。今回は、秋田県サイドの白神山地への玄関口として知られる藤里町や八峰町、そして能代市のおすすめスポットを紹介したい。

天気や季節で表情を変える湖と滝

藤里町にある素波里湖は、白神山地にある藤里駒ヶ岳を湖畔越しに一望できる絶景スポット。周辺には、白神山地の歴史を映像とともに学ぶことのできる「ふるさと自然公園センター」やキャンプ場などもあり、子供連れのファミリーにもおすすめだ。

深い霧におおわれた素波里湖。保水力の高いブナの木々から放出される水蒸気の影響で雲や霧が多いのも白神山地の特徴といえる。

藤里町の中心地にあるのでアクセスのしやすさでもおすすめの銚子の滝は、ドーム状になった岩盤の裂け目から水が流れ落ちる珍しい形状をしており、その美しさはどこか幻想的。冬には滝つぼに青白いドーム状の氷が現れ、夏とは違った雰囲気を醸し出す。

雨の森もまた美しい

八峰町にある留山は、樹齢約350年のブナの巨木が残る里山だ。1~2時間ほどで周遊できる遊歩道が整備されているので、白神山地の自然を気軽に体感することができる。ただし自然保護の観点から、留山散策にはガイドの同伴が必須となっている。

実は撮影当日は雨予報。留山で撮影中にはザーッと大粒の雨が降ることもあったが、それが恵みの雨となり、珍しい「樹幹流」という現象を見ることができた。これは独特の形状を持つブナの葉が集めた雨粒が枝から幹に伝い、幹に一筋の川のような水脈ができ、地表に向かって勢いよく流れ落ちる現象だ。実際にこの日も、大きなブナの木の幹を、まるで1本の川のように勢いよく水が流れ落ちるさまを見ることができた。

水辺の景色も必見の価値あり

八峰町にある三十釜は白神山地を源とする真瀬渓流にある景勝地。荒々しい岩肌の間を勢いよく水が流れる渓谷で、新緑や紅葉の季節には多くの人が訪れる。また、秋には遡上するサケも見られるそう。釜のような形のホールが多くあることから「三十釜」という名前が付けられた。

秋田県能代市の海岸から白神山地を望む夕景。荒々しい日本海の白波と壮大な山々のシルエットのコントラストが圧巻の絶景を生み出していた。

白神山地やその周辺地域の絶景を心に刻みに、ぜひこの地を訪れてみてほしい。

白神山地を訪れる際にはガイドの同行がおすすめ。以下よりガイドを予約することができます。

白神山地  森のえき

https://morinoeki.fun

秋田白神ガイド協会

https://akita-shirakami-guide.jimdofree.com

八峰白神ジオパーク

https://geopark.town.happo.lg.jp

取材・文 小嶋美樹 
写真 秋倉康介

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