会津の酒屋当主がおすすめ 推し銘酒と美味しい飲み方
「会津っぽ」―。この地に生きる人々の正義感の強さ、一徹さ、頑固さを表す言葉です。酷暑の夏に、豪雪に閉ざされる冬―。厳しい環境だからこそ、会津っぽは育まれたのかもしれません。その“ぶれない心”の持ち主が、数百年もの間、大切に紡ぎ続けてきたものたち。会津木綿、会津本郷焼、会津塗、それに、会津絵ろうそく……。この、個性豊かな逸品たちに今、世界の目が注がれています。
それも“手しごと”の結晶 会津が醸した銘酒たち
「辛口でもしっかり甘みがある、それが会津のお酒です」
会津地方の全蔵元の日本酒を取り揃える酒店「植木屋商店」。その十八代・白井與平(よへい)さんに、会津の日本酒の特徴を聞いた。
「会津は海が遠く、魚などの保存食はどうしても濃い味付けに。だから会津では淡麗な味よりも、甘みが強く、しっかりした味のお酒が好まれた。また、興味深いのが、同じ会津でも蔵元ごと、その土地、土地で自然と醸成されてきたお酒の風味があること」
雪深い山間の蔵元の日本酒のほうが「より甘い」と白井さん。
「それぞれが、土地が育んだ味。生まれたその地で飲むのが、一番美味しいお酒の飲み方かも」
白井さんの“推し酒”
※季節によって入手できないものもあります
酒販店「植木屋商店」
山崎ナナ | やまさきなな
08年、アパレルブランド「YAMMA」を設立。15年、閉鎖が決まった会津木綿工場「原山織物工場」の存続に立ち上がり、事業継承。「株式会社はらっぱ」代表取締役に。ニューヨーク在住。昨年、東京に「YAMMA神楽坂」をオープン。https://yamma.jp
案内人 山崎ナナ(はらっぱ代表/デザイナー)
取材・文 仲本剛
撮影 須藤明子
会津への翼
会津へは大阪(伊丹)などからANA便で福島空港へ。
※運航情報は変更になる可能性がございます。最新の情報はANAウェブサイトをご確認ください。