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歌舞伎俳優・尾上菊之助のとっておき「アップルパイ」と「よだれ鶏」

歌舞伎俳優・尾上菊之助のとっておき「アップルパイ」と「よだれ鶏」

LIFE STYLE KABUKI

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[私の二枚看板]第五回/案内人・尾上菊之助

公演で日本全国、さらには海外も回る歌舞伎俳優たち。彼らの舌を魅了した「祝着至極」のメニューを毎月2皿ずつ、紹介します。第五回はドラマや映画でも活躍中のこの人。

数年前、テレビ番組の取材で訪問して以来、私はすっかり白神山地に魅了されておりまして。休みが取れるたび、青森に飛んでは、緑濃いブナの原生林に癒されております。マタギをされている方や、ガイドさんともご縁ができて、山の深部にまで案内していただいたり、渓流釣りを教わったり。白神山地の自然に触れることが、いまの私のいちばんのリフレッシュ方法なんです。

そして今回、まずご紹介したいのが、その白神山地のガイドさんにお連れいただいた弘前城前にあるお店「可否屋 葡瑠満」。雰囲気のいい、コーヒーのとっても美味しいお店なんですが、こちらで私が必ずいただくのが、アップルパイ。マスターが毎日、自ら店のオーブンで焼いていて。余計なものは一切入っていない、地元産のりんごの甘さとパイ生地の香ばしさを堪能できる逸品です。この至極のアップルパイと、1杯ずつペーパードリップで入れてくださるマスターこだわりのコーヒー。もし彼の地を旅する機会がありましたら、ぜひ味わっていただきたい最高のコラボレーションです。

もう一店は、東京にいくつかお店がある四川料理の名店「中國菜 老四川 飄香」。私はこちらの井桁(良樹)オーナーシェフと懇意にさせていただいておりまして。そのご縁もあって、もう長いこと通い続けております。井桁シェフの生み出す四川料理はすべて素晴らしいんですが、私のイチオシはズバリ、よだれ鶏。よだれが出るどころか、一切れ、口に含んだら顎が外れてしまうんじゃなかろうかと心配になるぐらい、美味なんです。あ〜、いますぐ食べに行きたいぐらいです。

間もなく公演が始まる『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』は、私自身も大ファンの人気ゲームを題材とした新作で、大作となる予定です。こういった長いお芝居では、私たち演者も途中で高タンパクな食材を摂るなど、エネルギー補給が必須。そこでもし、飄香のよだれ鶏をいただけたなら、きっとパワー全開の芝居になるでしょうね(笑)。そして無事、千穐楽を迎えて休みが取れたなら……。私はすぐ、白神山地と葡瑠満に、飛んでいくことと思います。

おのえ・きくのすけ

77年8月1日、東京生まれ。父は七代目尾上菊五郎、長男は七代目尾上丑之助。84年 、歌舞伎座『絵本牛若丸』で六代目尾上丑之助を襲名し初舞台。96年、歌舞伎座『弁天娘女男白浪』の弁天小僧菊之助ほかで五代目尾上菊之助を襲名。来月4日、初日を迎える『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』(IHIステージアラウンド東京)では主演はもちろん、企画、演出も手がけている。

可否屋 葡瑠満

青森県弘前市下白銀町17-39

tel:0172-35-9928

営業時間:9:30〜18:00

定休日:月曜、第二、四火曜

「私の大切なリフレッシュ空間」と尾上菊之助さんが語る可否屋 葡瑠満は、今年創業44年目を迎えた老舗喫茶店。注文を受けてから豆を挽き、一杯ずつペーパードリップで作られるマスターこだわりのコーヒー(750円〜)のほか、ロイヤルミルクティ(850円)も人気。そして、やはり外せないのが菊之助さんオススメのアップルパイ(450円)。フレッシュバター100%のパイ生地に、丁寧に煮込まれた甘酸っぱい完熟フジをたっぷりのせて焼き上げられたシンプルなパイは、甘さ控えめ、りんごそのものの味が楽しめる。シナモンはお好みに合わせ、後がけ。

http://cafe-buruman.cafe.coocan.jp/index.htm

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老四川 飄香小院(六本木ヒルズ店)

東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワーウェストウォーク 5F

tel:050-3177-4848

営業時間:11:00 ~ 15:00(LO 14:30)、17:00 ~ 22:00(LO 21:00)

定休日:なし

2005年に創業した四川料理の名店。菊之助さんが「よだれどころか、顎が外れてしまうほど美味しい」と尾上菊之助さんが絶賛するよだれ鶏(2,530円)のほか、コース料理(ディナーコース:8,800円〜、ランチセット:2,970円〜)で井桁シェフの作り出す魅惑の四川料理を堪能する客も数多い。菊之助さんが通う六本木ヒルズ店のほか、都内に4店舗を構える。本店は昨年7月、麻布十番から広尾に移転した。

https://www.piao-xiang.com

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絵:矢野元晴