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富山・魚津「片貝川2」新感覚日本酒バルとミシュラン星獲得の鮨屋~Deportare Trip vol.11

富山・魚津「片貝川2」新感覚日本酒バルとミシュラン星獲得の鮨屋~Deportare Trip vol.11

LIFE STYLE 旅で潤う

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「富山県は、山も海もあり、お魚もあれば、お肉も美味しいです。そうすると、やはりお魚に合う料理は海に面した地域の酒蔵でつくられていますし、山菜などの山のものは、やはり山のほうでつくられるお酒が合う。富山の地酒は、地域ごとに特色があるところが特徴だと思います」(TOYAMATO 津田瑞希さん)

「バール・デ・美富味」は昨年3月、富山駅前に誕生した商業施設MAROOT内にオープン。富山県内19の蔵元から届く季節に合わせた生酒、日本酒をカクテルのベースとして使用する新感覚の日本酒カクテル、富山の人気店がプロデュースする美食とのペアリングなど、今までにない新しい日本酒の楽しみ方を提案している。目指すは、若者世代に感動の日本酒を体験してもらうこと、そして全国全世界にも富山の日本酒ファンを増やすこと。

「季節によって蔵出しされた生酒をフレッシュな状態で入荷し、25本のタップから冷えた生酒などを注いで提供します。日本酒カクテルは、東京・銀座のBar cacoi(バー・カコイ)がプロデュースしています。蔵元から届いた日本酒とフレッシュな果物を組み合わせ、見た目も華やかで飲みやすくなっているので、ライトに日本酒を楽しみたいという方におすすめです」

日本酒を楽しむバルならではのメニューには、富山の名物をフィンガーフードとして再構築したプレート「美富味プレート」や自家製のサーモンのタルタルソース「鱒のタルタル」、ホタルイカや白エビの素干し、野菜たっぷりの粕汁など日本酒にぴったりのおつまみがラインナップされている。

「日本酒と料理が口の中で合わさることで味覚の変化を楽しんでいただけます。美富味プレートには、魚津の魚津酒造さんと美富味がコラボしたオリジナルの日本酒『帆波α』が食前酒としてもおすすめです。甘みと酸みのバランスがよく、優しい口当たりになっています」

富山県は名水百選に選ばれた湧き水がいちばん多く、また、北アルプスの雪解け水は県内を流れる急流河川へと繋ぎ、ミネラルを豊富に含んだ栄養分いっぱいの水が育まれる。そのため、富山の水は水道水でも十分美味しく、わざわざ購入する人はいないそうだ。水が美味しければ、水で育まれる米も美味くなるし、水と米からできる日本酒も当然、美味しくなるというわけだ。

そして、富山湾でとれる魚が美味しい理由も富山の類稀な地形が要因なのだ。富山湾は暖かい対馬海流と冷たい日本海固有水(深層水)で満たされているため、暖流系と冷水系の両方の魚が棲める環境になっている。

石川投手が魚津に帰ると必ず立ち寄るという「鮨 大門」では、シャリに日本一の急流河川と言われる片貝川の上流あたりの農家さんがつくる米を使用している。

「いろいろ試してみたんですけど、魚津の水で炊く米は、やはり魚津の米がいちばん相性よかったんですよ。魚津米は米粒が大きめで、甘みともっちりとした粘りがあって、つやつやに炊きあがります」

と店主の大門さん。魚津産をメインに、魚津から東の新潟県との県境の魚を多く使用しているという。この日は、魚津港で水揚げされた「キジエビ」を握ってくれた。甘エビともボタンエビともまた違う旨みが口に広がる。

「甘みがあって、食感もいいと思います。甘エビは模様が横なんですけど、キジエビは縦模様なのが特徴ですね。秋は真鱈の白子が完熟前はあっさりしていて食べごろです。エビ系も多いですし、バイ貝は年中あります。魚津は魚種が多くて、全国の7割くらいとれると思います。おまかせコースは、おつまみと合わせると20種類以上の魚を使うのですが、石川さんはだいたい全種類の魚を食べていかれますね(笑)」

大門さんはもともと北海道で修行していたが、故郷の魚津に戻り2012年に現在の店を開いた。2016年には、ミシュランガイド富山・石川特別版で一つ星を獲得した。

「店が魚津駅の目の前なので、石川や新潟から電車でお越しになるお客様もいらっしゃいます」

今回、魚津を訪ねる前に、好きなお酒についても聞いたところ、日本酒が好きで、「三郎丸蒸留水所のウイスキーも美味しい」と教えてくれた。魚津の海の幸と地酒のマリアージュは格別に違いない。

バール・デ・美富味

富山県富山市明輪町1番231号 MAROOT 1階

TEL:076-482-4799

富山きときと空港より車で20分

https://mitomi-toyama.com

GoogleMap

鮨 大門

富山県魚津市釈迦堂1-2-3

TEL:0765-32-5868

魚津駅より徒歩1分

GoogleMap

撮影/木村哲夫 取材・文/竹下雄真 編集/服部広子