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千葉「富里」シャリシャリの甘いスイカで血行促進~Deportare Trip vol.10

千葉「富里」シャリシャリの甘いスイカで血行促進~Deportare Trip vol.10

LIFE STYLE DEPORTARE

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火山灰の肥沃な土壌で育つ甘いスイカで血行促進

成田国際空港から車で20分。千葉県北部中央に位置する富里市は、全国有数のスイカの名産地。毎年6月に行われる「富里スイカロードレース大会」は、スイカで喉を潤しながら走るユニークなレースとして人気だ。

4年ぶりに行われる「富里スイカロードレース大会」は6月18日に開催される。

今回訪れた「田中農園」は、デポルターレがトレーニングサポートをしているプロ野球、千葉ロッテマリーンズの唐川侑己(からかわゆうき)選手の母親の実家。現在91歳の祖父の代から農園を営んでいる。

「富里市の土は火山灰土。水はけのいい肥沃な土壌はスイカ栽培に適しています。昼夜の寒暖差が激しいので糖度が高く、シャリシャリとした食感が富里スイカの特徴です」

と、叔母の春美さん。こちらの畑では、糖度が12度と高い「紅まくら」を主に生産している。

「大人になって改めて富里のスイカを食べると美味しさを実感します。水分が豊富なので水分補給に役立つし、体を冷やす作用もある。夏場に食べるものとして理にかなっています」

唐川選手の言うとおり、スイカにはむくみ解消や高血圧を予防するカリウムや、血行を促進するシトルリンなどの栄養素が多く含有。富里スイカは例年7月下旬まで出荷され、市内ではJA産直センターで購入できる。

畑の上空を飛ぶ飛行機を眺めながら、赤く熟れたスイカをかじる。これぞ旅の醍醐味だ。

唐川選手のスタミナ源
夏の疲労回復にはスイカ!

「幼少時代は、母の実家のある富里によく遊びに行きました。畑を走り回ったり、キャッチボールをしたり、スイカを運ぶリヤカーのようなものに乗って遊んだり。あと、スイカのラベル貼りの手伝いをした記憶があります。スイカ割りもやっていました(笑)。大人になった今は、息子の幼稚園に『スイカ割りをしてください』って持っていくこともあります。子供はスイカが好きなので、夏になると富里のスイカをみんなで食べるのが一番の楽しみです」

と、唐川選手。スイカは子供のころから身近な存在で、スイカをたくさん食べて育った。富里市にスイカ色のグローブを寄贈するなど、富里スイカへの愛着は深い。昨年は、田中農園で生産している「紅まくら」と「ブラックプレミアム」の贈答用のオリジナル箱の製作にも関わったという。

「美味しさをお世話になっている人に贈るとき、やはり箱とかに入れたほうが喜ばれるかなあと思って。富里スイカの美味しさは全国一だと思っていますし、多くの方にその味を知って欲しいんです」

紅まくらは、その名のとおり枕のような形をした楕円形のスイカで、糖度は平均12度と、とても甘い品種。いっぽうのブラックプレミアムは皮にスイカ特有の縞模様がなく、種がないのが特徴だ。

「紅まくらはとにかく甘くて、シャリシャリと少し固めの食感がいいんです。ブラックプレミアムは、一般的にはまだめずらしい品種なので贈答品としてとても喜ばれます」

スイカは、同じ株に雌花と雄花が分かれて咲くため、雄花から出る花粉を雌花にある雌しべにくっつける「受粉」が必要だ。田中農園でも一部、ブラックプレミアムを育てているが、種なしのためほかの品種の雄花を使って交配させる。

叔母の春美さんに聞くと、昔はミツバチなどを放って自然に受粉させていたそうだが、現在は人工受粉を行っている。

「ハチを使っていたころの記憶もあります。でも、自然に任せると確実ではなく、ムラができちゃうそうですね。一つ一つ手作業で受粉を行うわけですから、大変な作業だと思います」

そうして育てられたスイカはカリウムやシトルリンなどの栄養分を含有することは前述したが、このシトルリンは血管の機能維持に不可欠な成分で、血管を拡げて血行を良くしたり、強くしなやかにしたりする働きがある。持久力アップや疲労回復などの効果も期待できるので、スポーツ選手にはおすすめの食材と言えるだろう。富里スイカロードレース大会では、給水所の代わりに「給スイカ所」を設けられ、ランナーたちはスイカで水分補給をしている。

「何でもそうですが、やはり日常の積み重ねというのはとても大事。アスリートにとって、疲労回復は勝負の鍵になると思っているので、食べ物に含まれる栄養素などにも気を使って、暑い夏を乗り切れられたらいいなあと思います」

田中農園では、スイカ栽培後にニンジンの栽培を始める予定だというが、実は富里市はニンジンの生産・出荷量も全国でトップクラスだ。

「富里のニンジンは美味しいんですよ。富里の魅力は、スイカはもちろん、冬ニンジンやサトイモなどの農作物がたくさん収穫できるところです。これも大人になってから改めて気づいたことですが、ニンジン畑が結構、キレイで、鮮やかな緑色の葉が畑一面を埋め尽くす時期は、見ているだけでも心が癒されます」

田中農園では、畝(うね)に防寒用シートをトンネル状にかける「露地トンネル」という方法でスイカを栽培している。

富里と隣接する成田市で生まれ育ち、実家から近い成田新勝寺に父親が勤めていたこともあり、成田、富里一帯は今でも心の故郷。毎年、お正月には富里の田中家で凧揚げをするのが恒例だという。

「お正月もそうですが、昔から祖父母もいて、従兄弟もいて、心から楽しめる場所でした。それは今も変わらず、子供たちと里帰りするのがとても楽しみで、僕自身、ゆっくりできるところなのかなあと思います」

案内人:竹下雄真

1979年、神奈川県茅ヶ崎市出身。会員制パーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ」代表。トップアスリートをはじめ多くの著名人の肉体改造に携わり、ウェルネス以上、メディカル未満の領域で、クライアントの進化に日々努める。著書に『ビジネスアスリートが実践する最強のリカバリー術』(光文社)ほか多数。

唐川 侑己

千葉県出身。33歳。成田高等学校卒業。2008年、高校ドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団。以来、15年間投手として活躍中。

撮影/木村哲夫 取材・文/竹下雄真 編集/服部広子