三笘薫「目標のワールドカップ優勝へ」 “夢の描き方”と世界で戦う思考法
もっと遠くに、もっともっと上まで行ける―
真似したい選手、決めたいゴール、訪ねてみたい街、子育てしてみたい国、そして、いまにも手が届きそうな「夢」……ワールドカップ開幕までおよそ300日、日本代表エースが思い描くヴィジョン。
夢を叶えるため、いま僕がすべきこと─三笘薫

子どもたちに語った「夢を持つことの大切さ」
「小さいうちは、たくさんミスしたほうがいい。それを恐れていたら、サッカーは上手(うま)くなれないよ」
サッカー日本代表・三笘薫選手は「試合や練習で失敗することが怖い」と言う少年に、壇上からこんなふうに優しく語りかけていた。
東京・羽田の「ANA Blue Base」で「夢に挑む子どもたちへ!」と題した三笘選手のトークイベントを開催。マイレージクラブ会員のなかから抽選で選ばれた小学4年生〜中学生とその保護者、25組50名が参加した。

「“2対2”の練習が好きだった」ことや、勉強とサッカーの両立のため「宿題は帰宅直後に済ませていた」など、「サッカー選手になる」という夢を抱き始めた幼少期のエピソードを披露した三笘選手。また、リフティングの上達方法や、プレー中に広い視野を保つためのコツなど、子どもたちの質問一つひとつに、身振り手振りをまじえ、丁寧に答えていく。
イベントを通じて、三笘選手は「夢を持つことの大切さ」を伝え、子どもたちは真剣な眼差(まなざ)しで彼の言葉に聞き入っていた。三笘選手は言う。「夢を持つこと、それも、漠然とではなく、常にその夢を意識して日々行動することが大事かなと」



いま、三笘選手が抱く「夢」は、やはり……
イベント終了後、「トークショー、面白かったですか?」と笑顔で切り出した三笘選手。今回は特別に『翼の王国』独占インタビューが実現した。
――先ほどのイベントで「憧れの選手の映像を見ることも上達の秘訣」とお話しになっていましたが、いま、自分も誰か、ほかの選手の映像を見たりする?
三笘 見ますよ。昔はクリスティアーノ・ロナウド選手の映像を見て、フェイントやへディングを真似しました。最近だと、キリアン・エムバペ選手ですね。彼のゴールシーンなどを見て、どうやったらあんなふうにできるのか、研究したりしていますね。
――昨シーズンは、チームの年間ベストゴールに選ばれるような素晴らしい得点がありました。今季はどんなゴールを決めたい?
三笘 そうですね、ミドルシュートをもっと増やしたいと思っています。あとは、自分で持ち込んで何人かディフェンダーを抜き去って決めるゴールも。自分にしかできない、ほかの選手を頼らないゴールを増やしたいですね。

――少し、サッカーから離れた質問をしたいと思います。あくまでもサッカーとは関係なく、訪れたい街とか、旅してみたい国は?
三笘 日本代表のチームメイトが暮らしている国、ポルトガルやオランダは旅してみたいですね。同じヨーロッパにいても、シーズン中は旅行もできないし、オフも遠出は難しいので。正直、行ってみたいところだらけです。
――これまで訪れた旅先で、印象に残っているところは?
三笘 大学生のとき、ユニバーシアード大会で行ったイタリアは、歴史を感じさせる街並みとかがよかったですね。イギリスだとリヴァプールとかも、いい街だなって思います。
――今日は大勢のお子さんと交流しましたが、将来、自分が親になったとき、どの国で子育てしたい?
三笘 海外での子育てというのも興味深いですよね。イギリスだったら、子どもは英語を習得できるだろうし、明るい性格になりそうかな。いっぽう、日本人ならではの感性を育(はぐ)くむなら、やっぱり日本がいいのかなとも。でも、どこで暮らすにしても、大事なのは、僕と子どもの関係だと思っています。
ワールドカップ優勝がより現実的に、その夢を常に意識して行動していきます
――最後に、現在の、ご自身の夢を教えてください。
三笘 やっぱり、ワールドカップでの優勝です。昔なら、果てしなく遠い夢だと思っていましたけど、いまはより現実的というか。昔、自分がイメージしたよりも、いまは「もっと遠くに、もっともっと上まで行ける」、そういう実感があるんです。そして、個人的にはもっと選手としての価値を高めたいとも思います。最後は「やり切った」と納得して、サッカー人生を終えたい。

MITOMA KAORU
1997年、大分県生まれ。小3から高3まで川崎フロンターレの下部組織に所属。筑波大学を経て2020年、川崎フロンターレでJ1デビュー。2021年、プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCへの移籍が実現。ベルギーのクラブへの期限付き移籍を経て2022年、プレミアデビュー。同年のカタールW杯でも日本の切り札として活躍。スペイン戦の“三笘の1ミリ”は大きな話題に。昨季、プレミアリーグで日本人初の2桁得点を達成。※6月14日イベント時点の情報です。
写真 木内和美
取材・文 仲本剛
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