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北欧デザインの源はやっぱり「フィーカ」 ストックホルムのアート巡り

北欧デザインの源はやっぱり「フィーカ」 ストックホルムのアート巡り

TRAVEL 2025.01  ストックホルム特集

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インテリアやテキスタイルをはじめ、男女平等、福祉の充実などの先進性でも憧れを集めるスウェーデン。この国で特にこよなく愛されているのが、温かい飲み物とスイーツを嗜む「フィーカ」の習慣なのだという。今回は実際のフィーカの様子を見せてもらいに、ストックホルムを拠点に活躍するアーティストのスタジオを訪問。彼女がおすすめするストックホルム市内のアートスポットもお見逃しなく。

適度なブレイクこそが、上質なデザインとセンスの根源

瀟洒な空間に、質の高いスイーツとコーヒー。至福の喫茶の条件がこれほどまでに揃うこの街で暮らす人たちのリアルなフィーカの姿を捉えるべく、イラストレーターのセシリアさんを訪ねた。ストックホルムにスタジオを構える彼女は、ロンドンでグラフィックデザインの勉強をしたのちファッションイラストの道へ。雑誌の挿絵から世界的メゾンの広告ヴィジュアルに至るまで、卓越した色彩感覚とデザイン性を発揮している。

「スウェーデンで育つならフィーカを避けて通ることは不可能に等しいと思います。あらゆる場面で親しまれている、みんなの心の支えだから」。多忙な創作活動の合間には、手づくりのクッキーを頬張り小休憩を。

「季節のイベントの際には子どもたちとお菓子づくりをすることも多いんです。仕事場の数軒隣にあるクッキー屋さんにもよく行くけれど(笑)」。立ったままでも、口にするのがコーヒー以外でも、穏やかな気分になれれば立派なフィーカタイムに。

“ほっとひと息”の時間が支える、ストックホルムのクリエイティブスペース

ストックホルム中央駅からほど近い「ギャレリーマグヌスカールソン」は、主にスウェーデンの現代アーティストをフィーチャー。オーナーのマグヌスさんの審美眼により選ばれた作品たちは、秀逸なデザイン性と色彩で心を揺さぶるものばかりだ。

Galleri Magnus Karlsson

Fredsgatan 12, Stockholm

https://www.gallerimagnuskarlsson.com

ストックホルム市庁舎の庭に数多く作品を遺している著名な彫刻家、カール・エルドのかつてのアトリエに、約500体もの彼の作品や美術品のコレクションが並ぶ夢のような空間。市庁舎をデザインしたラグナル・エストベリによる建築も興味深い。

Carl Eldhs Ateljémuseum

Lögebodavägen 10, Bellevueparken, Stockholm

https://eldhsatelje.se/en

アートに関するアドバイザリー業務も担う開放的なギャラリースペースには、世界各国の顧客に注目される国内外の先進的なアート作品が飾られている。スウェーデン陸軍博物館の敷地内に位置するため、扉のロゴを目印に訪問を。

CFHILL

Riddargatan 13 (Armémuseum), Stockholm

https://www.cfhill.com

案内人 ヴェントゥラ愛
写真 伊達直人
コーディネーション 明知直子
取材・文・編集 山下美咲

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