ハワイの人たちは何故みんな笑顔を投げかけてくれるのですか?〜島いっぱいのALOHA-2
ハワイで出会う人達はみんな笑顔で接してくれる。多くの人がハワイではそのように感じているのではないだろうか。初めて出会った観光客の我々に対しても、ハワイの人々が優しく微笑みを投げかけてくれるのはいったい何故?
自分だけではなく、おそらく多くの人が抱いていると思われるこの素朴で直球な質問に答えてくれたのは、持続可能な方法で栽培された新鮮な農産物を提供するNPOエグゼクティブディレクター、ジョナサン・カネコア・クケア・シュルツさん。
「そうだね。確かにそうだ。しかしハワイだって全く問題がないわけではありません。だけどこんな素敵な場所に住めているということ。それがどれだけ特別なことで幸せなことのかということをハワイに暮らす多くの人々はよくわかっている。だから自然と笑顔が生まれるのかもしれません」。
ハワイの人々がこの土地を素敵な場所だと感じる最大の理由はなんだと思いますか?
「自然のサーキュレーションとエコのサーキュレーションが両立しているからだと思います。そしてそれはマナの力でもあるのです。マナとは、言い難い価値のあるもの。それ自体が人生であり、人が生きていく場所でもあるのです」。
ハワイの皆さんが生きているこの場所、ハワイの自然が体に影響を与えることとはなんでしょうか?
「ハワイアンである自分にはDNA的な点からも、島で採れるハワイの食べ物を食べて健康になるというのは当然のこと。ハワイアンでなくてもこの島に住んでいる人がこの土地で作られたものを食べることは、体にも心にいいこと。それは同時にこの土地を敬う気持ちになるし、心に響くことにもなる。だから私達はここでタロの畑を栽培し、ハワイアンのソウルフードでもあるポイを作っているのです」。
土地を敬うというのは、文字通りの土地のことだけではなく、土地に関わるあらゆるものを敬えという意味でしょうか?
「ハワイを旅するときに『この場所で自分が人の役に立てることや助け合えること、協力できることはなんだろうか』ということを頭の片隅に入れて旅をするのがいいと思います。自分も日本が好きで日本の親戚の家に行けばもてなしてくれます。だけどもてなされるだけでなく、自分もなにかできることはないかと考える。で、少し実践してみる。そこで絆が生まれ、関係が生まれる。旅をするときも一緒。そうすることでお互いの良い関係が生まれてくるのだと思います」。
それは観光地だけに行っていたのではダメだということですか?
「観光地は面白いし楽しい。だけどそれよりも気にかけてほしいのは、ここに暮らしている人はどうやって暮らしているのか。どんな暮らしをしているのかということ。そういうことに興味を持って旅をすれば、文化や背後にあるストーリーなどを知れるようになる。ハワイに限らずその土地を知ることに繋がっていくのです」。
撮影/内田恒
取材・文/山下マヌー