サスティナブルで、最大にラグジュアリーな宿にステイする
サスティナブルであり、最大にラグジュアリーにステイするホテル「Azumi」
Azumi外観。明治時代初期1876年 に建てられた「堀内邸」を受け継ぎ、 修繕、復元した。
時を超えて誕生、今なお瀬戸田で愛される堀内家の建築
瀬戸田で賑わう商店街「しおまち商店街」にそびえる宿、「Azumi Setoda」。その存在感と重みのある建築は、それもそのはず、明治時代の初期に当たる1876年に建てられた「堀内邸」を受け継ぎ、修繕し、誕生したものです。堀内家は、かつて瀬戸田で製塩業や海運業を主に営み栄えていた豪商でした。堀内家が事業を始めたのは17世紀の初頭だと言われ、それから約2世紀という長きにわたって活躍していたといいます。
堀内邸は当時、品質、造形において世界的に見ても非常に高い水準だったといいます。建設から約140年が経過しても壊れず建ち続け、細部まで復元が可能だったという点に、技術力の高さが表れています。
数寄屋造りは、質素で簡潔、かつ自然の素材をそのまま使っているのが特徴。改修に伴っても、木、石、土といった主要な材料を〝生き物〟として扱い、なるべく排除せずに残しており、その建築は圧巻。様々な角度から中庭を眺めくつろぐことができる造りになっています。客室はシンプルで温かみのある造り、開放感のある仕切りのない部屋は清潔感に溢れています。サスティナブルでありながらラグジュアリーに包まれる感覚というのはいかに贅沢で貴重なことか……一度は身を置いてほしい場所。宿そのものが素晴らしい遺産でできている、と言っても過言ではありません。
修繕の際に努めたのは、 木、石、土といった主要な材料をなるべく排除せず残すこと。廊下と直接触れている中庭は、館内 のいたるところから眺められ、素晴らしい。
客室はヒノキの香りに包まれ、仕切りの少ない開放的な造り。伝統的な旅館のくつろぎと現代的な備えをシンプルに共存させている。
館内に飾られた陶器の器の中には、昔の堀内邸で使用されたものをそのまま残しているものも。
また、「Azumi Setoda」がある通りの向かいには、思想を同じくする「yubune」という宿泊も可能な公衆浴場があり、温浴はこちらで満喫することができます。
Azumiの向かいに建つ銭湯宿yubune。リーズナブルに宿泊と温泉を楽しむことができる。内湯(ジャグジーあり)、サウナ、水風呂を揃え、客室は国産ヒノキ材や畳を使用した心地よい空間。
Azumi Setoda
yubune
Azumi 向かいの銭湯宿。
広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269
TEL 0845-23-7911
7:00 〜 22:00
(日帰り入浴の場合は10:00〜20:00)
大人:900円(土日祝1,200円) yubune、Azumiの宿泊者は無料
Instagram @yubune.setoda
案内人/鬼崎翔大 撮影/尾原深水 編集/中野桜子