福島・いわきのかまぼこ「千」　ぷりっぷり食感のごちそうを佐久間宣行がおすすめ

食いしん坊の方々が出合った、とっておきのお取り寄せを教えてもらう連載。暮らしを幸せにしてくれるあの味を求めに、旅をしたくなることでしょう。

経験と年を重ねるごとに　地元の味に心惹かれていく

元「テレビ東京」プロデューサー。現在はフリーのテレビプロデューサー、ラジオパーソナリティとして活動するほか、テレビ番組のMCなどにも挑戦している佐久間宣行さん。おいしいものに目がなく、食の情報収集も熱心に行うグルメな佐久間さんが惚れ込んでいるのが、生まれ育った場所である福島県いわき市のかまぼこだ。

「『地元・福島の仕事をもっとしたい』というのが、会社を辞めてフリーになったきっかけの一つでもあるんです。なので、最近はよく福島に通っています。『御蒲鉾 千』も、同郷である『アルコ＆ピース』の平子祐希さんとの番組『サクマ＆ピース』で、いわきに行った際に出合ったもの。お店に伺って、いろいろと食べさせてもらったんですが、撮影の最後に『とっておきのがあるんですよ』と言われて出してもらった、これがとびっきりおいしくて。もう何度か取り寄せています。

ぷりっぷりの食感で、上品な味わい。わさびしょうゆをつけるだけで、立派なごちそうになります。これ以上のアレンジは必要ないんじゃないかな、と感じるくらい完成された味です。家ではお酒を飲む習慣はあまりありませんが、こちらを食べるときは別。立派な日本酒と合わせないと、失礼になるんじゃないかと感じるくらいです（笑）。正月には福島の酒『飛露喜』や『冩樂』を飲みながら、堪能しました。二本入りなので、一本は家族と味わって、もう一本は知人に贈ることも。『高級料理店のおせちに入っているものよりおいしいんじゃないか』と喜ばれました。

まだ何も仕事で成し得ていなかった20代の頃は、帰省してのんびりしていると、仕事に対するファイティングスピリットがなくなっちゃうんじゃないかと心配で、地元に帰っても長居しないようにしていたんです。なので若い頃は、福島の名産品に興味が向くことはなかったんですが、今は別。東日本大震災を経験したことで、意識が変わりました。微力ながらも、できるだけ地元のよいものを発信していきたいと思っています」

撮影　江原隆司　
取材・文　高田真莉絵