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クラシックよりもヘビメタやロックがおすすめ? 頭痛の原因になる音とは 

クラシックよりもヘビメタやロックがおすすめ? 頭痛の原因になる音とは 

LIFE STYLE 雲の上の診察室

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当診察室ではこれまで、強い光や、食べものに含まれる特定の成分が、頭痛を引き起こす可能性があることをお伝えしてきましたが、今月のテーマは「音」です。

雲の上で脳に優しい音楽は?

ご旅行やお出かけの際には、耳から脳に伝わる刺激にも、少し気を配ってみてはいかがでしょうか。とくに、日ごろから頭痛に悩まされている方の脳は、音にも過敏に反応してしまう傾向があります。工事現場の重機が発する音や、緊急車両のサイレンをきっかけに、頭痛が起こることがあるのです。そんな経験から、飛行機に乗るときは、耳栓を使ったり、機内で放送されているオーディオ番組を聴くなど、音に対する工夫をされている方も少なくありません。

ここで、頭痛専門医からのクエスチョン。頭痛が起こりにくい音楽とは、どのようなものだと思いますか?
多くの方はモーツァルトやベートーベンなどクラシックの名曲を想像するのでは。たしかに、クラシック音楽は心和らいで「脳にも優しそう」という印象を受けます。ですが、唐突に転調しテンポが急変、なかには雷のような打楽器の連打が突如、始まるような曲も。このような急激な曲調の変化に過敏な脳は大いに刺激を受け、興奮する可能性があるのです。

では、どんな音楽がいいのか……。意外にも、私が担当する患者さんの多くは「ヘビメタやロックがいい」と言うのです。聴く前から激しい曲調を想定し、脳も緊張感を持って身構えられることで、脳血管も緩みにくく「頭痛が起こりにくい」と考えられます。

私がお勧めしたいのはジャズや軽音楽。リズムや音量がある程度、一定な曲調は、脳には優しいはずです。そのような観点で機内オーディオをお選びいただくと、さらに快適に、空の旅をお楽しみいただけると思います。

笑顔になる処方箋

機内オーディオでは、クラシックよりも、ジャズや軽音楽を

脳神経外科医・清水俊彦(しみず・としひこ)

脳神経外科医。医学博士。1958年、京都府生まれ。日本医科大学医学部卒業、東京女子医科大学大学院博士課程卒業。現在、東京女子医科大学をはじめとする複数のクリニックで頭痛外来を担当し、一日あたり数百人の患者さんを診察する、頭痛研究の第一人者。著書やメディアへの出演も数多い。