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あの食べ物が頭痛の原因? 医師が警鐘するグルメ大国の食事選び

あの食べ物が頭痛の原因? 医師が警鐘するグルメ大国の食事選び

LIFE STYLE 雲の上の診察室

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ご当地の美味しい料理を堪能する――これを旅のハイライトにされている方も少なくないと思います。とくに美味しいものが目白押しのグルメ大国へお出かけの際は、現地での食事に少し配慮をすることで、より一層、旅行を満喫できるようになると思います。

たとえば、ヨーロッパの美食の国、イタリア。ピザにパスタ、生ハムにワインも……。滞在中はイタリア料理を目いっぱい楽しみたくなることでしょう。ですが、もし日ごろ、頭痛に悩まされている方の場合、メニュー選びにはひと工夫が必要です。

イタリア料理でふんだんに使われているオリーブオイルやチーズ、ハムやサラミ、それに赤ワインといった食材や飲み物には、血管を拡張させるポリフェノールの一種、チラミンが含まれています。一見するとどれも“健康にいい食べ物”のように思われるかもしれません。もちろん、プラスの健康効果もありますが、血行が良くなることで、血管周りの三叉神経が刺激されて頭痛が引き起こされることも。

東洋の美食大国、中国も同様です。中華料理に使われることが多い化学調味料(グルタミン酸ソーダ)も、血管を広げ、頭痛を誘発することがありますから、美味しさに惹かれ、食べ過ぎにはご注意を。

いっぽうで豆腐など豆を原料とした食材や、魚介類に多く含まれるビタミンB2やマグネシウムには、神経の興奮を抑え、脳血流を安定させる効果が期待できます。また、私たちが食べ慣れた和食に使われる食材には、血管拡張物質が少ないことも知られています。

旅行先でふと日本食が恋しくなることはありませんか? もしかしたらそれは体からのサインかもしれません。頭痛専門医としては、旅先でのお食事に迷われたりした場合など、ときには和食系のチョイスもおすすめです。

笑顔になる処方箋

イタリアや中国…美食の国でも、ときには“和”の食材でクールダウン

脳神経外科医・清水俊彦(しみず・としひこ)

脳神経外科医。医学博士。1958年、京都府生まれ。日本医科大学医学部卒業、東京女子医科大学大学院博士課程卒業。現在、東京女子医科大学をはじめとする複数のクリニックで頭痛外来を担当し、一日あたり数百人の患者さんを診察する、頭痛研究の第一人者。著書やメディアへの出演も数多い。