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西川貴教×間野義之の健康習慣 筋肉をつくる食生活からプロテインまで紹介

西川貴教×間野義之の健康習慣 筋肉をつくる食生活からプロテインまで紹介

LIFE STYLE 旅で解放する

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トップアスリート、アーティスト、経営者が通う会員制パーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ」代表の竹下雄真さんが、各界のトップランナーと対談し、旅を通したウェルネスや仕事術、地方創生などのお話を伺う新連載。第2回目のゲストには、故郷・滋賀県のふるさと観光大使としても活動する歌手の西川貴教さんと、びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀県大津市)学長に就任した間野義之さんをお迎え、「地方創生と観光」をテーマに、地方創生の課題や自身の健康習慣ついてお話を聞きました(全5回の5回目)。

西川貴教×竹下雄真×間野義之が語る 旅先で健康を磨き 地方の未来を描く

トレーニングはプロに任せて食生活に集中

竹下 西川さんは、徹底した肉体管理と健康維持はストイック過ぎるほどとも言われていますが、そうする意味や目的は何ですか?

西川 目的は健康でいるため、それしかないですよ。現役で歌い続けるためと、自分がやりたいことを実現させるために最低限持っていなくてはならないものとして、健康な状態でいることは不可欠なんです。いつまでもライブを続けられる体でいなければならないのは当然。ほかにもやりたいことはたくさんあって、必要に応じていつでも、どこでも、すぐに飛んでいけるような状態を作っておきたいんですよ。

間野 体力がないとできないですよね。疲れたとか言ってたら、何もできない。

竹下 お二人の体づくりや食事の管理はかなりストイックなので、一般の方にはあまり参考にならないと思いますが、同世代の方とかに何かアドバイスはありますか? 

西川 トレーニングメニューは、トレーナーのみなさんにある程度お任せして、日々ディスカッションしながら目標を決めて、メニューや強度を決めています。そういった意味では、やはり食生活ですね。体って、食べたり飲んだり、結局、体に取り入れたものでできている。それを痛切に感じたのが、自分の気持ちがちょうどそこに向いているときだったんですよ。で、そうこうしていたらコロナがきて、我々の業態はいの一番に自粛を要求され、あらゆることが止まってしまった。そんななか、ボーッとしていればいいのかと言うとそうじゃないな、と。何かできることがあるんじゃないかということでたどり着いたのが、ベストボディ大会だったんです。

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カフェインで脂肪燃焼 プロテイン摂取の最適解は?

間野 大津市民会館に応援に行きましたよ。圧勝だったね。

西川 いやいや、あれが初めての大会経験で、まず、何が大変だったかと言えば、やはり減量でしたね。そのために食生活と1日のリズムを見直すことから始めました。我々の業態って、不思議と1日の仕事のスタートは昼1時からみたいなのが多くて、仕事をしながら真剣に体づくりをしていこうとすると、時間が足らないんです。なので、まずは1日のスタートを早くしようと、遅くても朝は6時か7時に起きることから始めて、起きたら有酸素運動をやってから1食目を摂る。それで昼になったら2食目を食べて、時間があったら少し昼寝してから仕事に行くというようなスケジュールに変えました。夜、12時間ぐらい胃を空っぽにしておきたいと思うと、早めに食事も終えなきゃいけない。そうすると、必然的に夕飯の時間も早くなるので、翌朝6時くらいにはお腹が減って目が覚める。だから自然に早起きになりました。朝は、カフェインを摂って走りに行って、8時、9時ぐらいに朝ごはんを食べる。それがルーティンになっています。

間野 有酸素運動の前にカフェインを摂ると脂肪の燃焼がいいんですよ。

竹下 ヨーロッパの選手とかは、ゼリーでカフェインを摂っていますよね。

西川 錠剤もありますし。

間野 プロテインも飲んでらっしゃるんでしょ?

西川 摂っています。今、卵白のプロテインをプロデュースしているんですよ。

間野 ホエイ(牛乳に含まれるタンパク質)じゃなくて卵白? そんなのあるんだ。

西川 完全に卵白だけなんですよ。

竹下 昔は結構、みんなエッグプロテインを摂っていたんですよ。卵の白身の部分はタンパク質が豊富で、筋肉の増強や肥大化に効果的ですから。

竹下 昔は結構、みんなエッグプロテインを摂っていたんですよ。卵の白身の部分はタンパク質が豊富で、筋肉の増強や肥大化に効果的ですから。
 
西川 アレルギーも少ないですし、吸収もよくて。
 
間野 卵黄はどうしているんだろう、もったいない気がする。
 
西川 卵として出荷されています。その会社は日本では少ない冷凍卵白を扱っていて。
 
間野 面白いね! 必須アミノ酸も卵にしかないものもあるから。
 
西川 はい、そこでEAA(必須アミノ酸)もできます。卵白のプロテインをヨーグルト味にしてEAAに混ぜたりして、トレーニング中もずっと飲んでいます。

「ラーメンは年2回」トレーニングは食生活を改善させる

間野 そういう生活をしているとね、ラーメンを食べるとかもうアホらしいわけですよ。せっかくトレーニングしても全部パーになるから。で、結局、食生活にもいい影響が出るんです。

西川 おのずと食事制限をするようになります。僕もラーメンは全く食べないわけじゃないですけど、食べても年に1、2回ですね。

竹下 間野先生は、食事はどんなことに気をつけているんですか?

間野 朝は竹下さんのところのプロテインを摂って、あとは豆乳とブルーベリーとバナナかな。ビタミンCをちょっと入れて。朝は、固形食は摂らないほうがいいと竹下さんに教わったので、それをずっと続けていますよ。そのほうが消化器の負担が少ないと言うので。

竹下 先生は毎晩、深酒になるので、消化器の負担はなるべく少ないほうがいいと思います。でも、滋賀に移住してから酒の量は減ったんじゃないですか?

間野 減りましたね。2軒目に行くお店がないんだもの。だから早起きになりましたよ、毎朝5時起床です(笑)。

西川 肌ツヤがすごくよくなりましたよ。

間野 毎日8時間ぐらい寝ていますから。でも、実は2年前に手術したんですよ、不整脈があって。

竹下 遺伝性のものだったんですよね。

間野 でも、やはりアルコールがトリガーになったと思いますよ、飲み過ぎだったから。

西川 これだけ動けていたら、よもや60代には見えないですよ。

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星の数よりもジム ホテル探しで大事にしていること

竹下 仕事はもちろん、日常生活のなかのあらゆるパフォーマンスを上げるには、やはり健康が一番。お二人もそれを実感されたことはありますか? 

間野 やはり体力があると気力も充実するし、スタミナも出る。頑張れますよね。時間の管理や睡眠をきちんと取れば、頭も常にスッキリしている。僕もね、50歳のときに竹下さんに体のことを管理してもらうようになってからなんですよ。それまではかなり不摂生な生活をしていた。それが50歳になるとき、ここでもう1回鍛え直しておかないと、将来大変なことになるなあと思っていたら、そんなときに竹下さんから「うちに来たらどうですか」と言われて、それから12年くらい。だからね、今、全く鍛えていないという人でも、今すぐトレーニングを始めたらいいと思いますよ。何歳からでも筋肥大しますから。

西川 それは本当に。50代、60代になったら何やっても無理とか、そんなの思い込みでしかないんです。少しでもやってみようという気持ちがあったら、すぐにジムに行かれたほうがいいと思います。ただ一つ、きちんと指導者がいるところを選ぶこと、これは気をつけていただきたいですね。僕自身、普段ホテルを選ぶとき、ホテルの星の数よりもジムが付いているかどうかで選びます。でも、地方のホテルはジムが付いているところが少ない。なぜなら外資系のホテルが少ないから。それでも、ジムのあるホテルを探して、トレーニングに行くじゃないですか。すると、トレーニングマシンはあっても、ちゃんとした指導者がいないところがほとんど。どこを鍛えているのかわからないようなマシンの使い方をしている人が非常に多いんです。トレーニングというのは、この部位を鍛えるためにはどういうマシンでどういう動きをすることが必要なのか、今の自分にはどれくらいの強度が必要なのか、といったことがきちんとわかっていないと意味がない。わからないのであれば、きちんとトレーナーの指導を受けながらトレーニングをするべきなんです。そういう意味では、トレーニングに対する意識がまだまだ日本は遅れていますよね。

間野 アメリカでは中学、高校の授業できちんと筋トレについて学ぶんですよね。

竹下 おっしゃる通りです。日本の生徒が剣道や柔道を学ぶのと同じように、アメリカではウエイトトレーニングを学びます。

西川 都内のホテルでも、フィットネスエリアを利用しているのはほとんど海外の方ばかりで、日本人はほぼいないですもんね。

間野 〈貯筋〉という言葉があって、お金じゃなくて筋肉の筋なんだけど、貯筋が大切だということは、いろんな運動生理学の先生方が言い始めているんです。何歳になっても筋肥大は起こるから、しっかり貯筋しなさい、と。

竹下 今、デポルターレでも、オフィスワーカーの健康意識を高めるような活動に力を入れているんです。体のコンディションがよくないと、当然、仕事の生産性は落ちるわけで、丸の内あたりのオフィスワーカーの生産性が落ちたら、ひいては日本の国力が落ちる。僕の父親ぐらいの人たちは24時間働くみたいなことができた世代ですけど、現代はそういうこともできない。スポーツチームで考えたら、個人のコンディショニングを上げていかないと勝てないのと同じで、会社や組織も、やはり一人一人のパフォーマンスを上げなければいけない。企業も健康経営みたいなところに力を入れ始めています。健康意識が高まってきた社員さんのなかには、ハイレベルな方もいます。今後の課題は、そういう動きをどう広げていくかということですね。そして、日ごろ会社で頑張っている人たちが、気晴らしをしにこういう滋賀のような素晴らしいところに来て体と心を休めたり、少しアクティビティしたり、そういうふうになるとすごくいいなあと思います。

滋賀の食文化と自然を生かす 西川貴教が提案する新しい地方創生の形

西川貴教 | にしかわ たかのり

1970年滋賀県生まれ。1996年、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてデビュー。2018年から西川貴教名義での音楽活動を本格的に始動。2008年に故郷である滋賀県から「滋賀ふるさと観光大使」に任命された。また、県初の大型野外ロックフェス「イナズマロック フェス」を主催し、地元自治体の協力のもと毎年開催している。2020年、滋賀県文化功労賞受賞。2019年にはNHKの連続テレビ小説『スカーレット』に俳優として出演するなど、多岐にわたって新しい挑戦を続けている。2020年と2021年、2年連続でベストボディ・ジャパン日本大会のモデルジャパン部門ゴールドクラスで優勝。2021年1月には50歳を記念した写真集『西川貴教 五十而知天命 ~五十にして天命を知る~』(小学館)が発売した。

西川貴教 写真

間野義之 | まの よしゆき

1963年神奈川県生まれ。1991年、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、同年に三菱総合研究所に入社。中央省庁・地方自治体のスポーツ・教育・健康政策の調査研究に従事。2002年同社を退職し、早稲田大学人間科学部助教授に就任。2009年には、早稲田大学スポーツ科学学術院教授に。2024年7月、びわこ成蹊スポーツ大学第6代目学長就任した。スポーツ庁・経済産業省「スポーツ未来開拓会議」座長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与など多数。著書に『オリンピック・レガシー:2020年東京をこう変える』(ポプラ社)、『2019・2020・2021ゴールデン・スポーツイヤーズが地方を変える』(徳間書店)、『スポーツファシリティ・マネジメント』(大修館書店)など。

間野義之 写真

デポルターレクラブ代表 竹下雄真 | たけした ゆうま

会員制トレーニングジム「デポルターレクラブ」代表。1979年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。早稲田大学スポーツ科学研究科修了。都内パーソナルトレーニングジムにてトップアスリートをはじめ多くの著名人の肉体改造に携わる。そのほか、慶應義塾大学SFC研究所上席所員、早稲田スポーツビジネス研究所招聘研究員、経済産業省地域×スポーツクラブ産業研究会委員などを務めている。著書に『外資系エリートはすでに始めているヨガの習慣』(ダイヤモンド社)、『ビジネスアスリートのための腸コンディショニング』(パブラボ)などがある。

https://www.deportareclub.com/

デポルターレクラブ代表 竹下雄真 写真

取材・文・編集 服部広子
写真 松村シナ