メインコンテンツにスキップ
ガイドブックは読む? 現地の生活を体験? ワクワクする旅の決め手

ガイドブックは読む? 現地の生活を体験? ワクワクする旅の決め手

LIFE STYLE 旅で解放する

share

トップアスリート、アーティスト、経営者が通う会員制パーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ」代表の竹下雄真さんが、各界のトップランナーと対談し、旅を通したウェルネスや仕事術、地方創生などのお話を伺う新連載。第1回目のゲストに医療機関「医療法人社団なかよし会 麻布台クリニック」(東京・港区)理事長・髙田哲也先生を迎え、「ウェルネスと旅」をテーマに、医師が考えるウェルネスやご自身の健康習慣、そして旅を通したウェルネスの実現についてお聞きしました(全5回の4回目)。

パリのお気に入りはヘミングウェイも通ったビストロ

竹下 パリに行くと必ず行く場所やよく食べるものはありますか?

髙田 シャイヨー宮は好きで、必ず行きます。セーヌ川を挟んでエッフェル塔の向かいの小高い丘の上に建つ大型展示場で、パリ万博(1937年)の展示施設としてつくられた建物です。私は、そこから見る夜のエッフェル塔が一番好きですね。それと、セーヌ川の遊覧クルーズは、旅の最終日の夜に乗るのが恒例ですね。高校生のときに初めてパリに行ったとき、「これで旅が終わるんだな」と思ったのが始まりで、それからずっと私の中のお決まりコースです。食事に関しては、パリにいる知人に案内していただくことが多くて、中でも、「ポリドール」という老舗のビストロにはよく行きます。作家のヘミングウェイも通ったといわれているレストランで、大衆的な雰囲気もいい。タルタルステーキが有名で、見た目はハンバーグを焼く前の生肉の塊みたいで一瞬ギョッとしますが、とても美味しかったです。

竹下 パリの魅力はどんなところですか?

髙田 パリには10回くらい行っていますが、やはり建物が好きなんですよ。昔の建物がそのまま残っていて、景観を維持しているのが素晴らしいと思います。あと、古城も好きで、パリから車で1時間ほどのところに建つ「シャンティイ城」にも行きました。ルネサンス時代の美しい建物で、城内には美術館もあります。城のテラスから見える庭園は、ヴェルサイユ宮殿の造園家の設計によるもので、非常に美しいですよ。また、厩舎があって、競馬場としても知られています。

ガイドブックに頼らず、ワクワク感を味わうのも旅の醍醐味

竹下 国内旅行もされると思いますが、お好きな場所はありますか?

髙田 京都が好きです。寺を見に行ったり、お気に入りの店に食べに行ったりします。好きな寺はたくさんありますが、中でも、比叡山を借景にした造りが楽しめる「圓通寺」には、京都に行くと必ず行きました。ほかには、苔に包まれた庭園が美しい「祇王寺」も好きですし、奈良の「興福寺」なども気に入っています。また、よく食べに行くお店は、割烹ですが、敷居の高いところではなく、地元の人が行くようなお店です。そこも京都にお住まいの方に教えてもらったところで、旅行のときは、現地の方に聞くというのがほとんどですね。というのは私、旅に行くときにネットなどで前もって調べないようにしているんです。ガイドブックもあえて読みません。それはどうしてかというと、知らずに行ったほうが、「こんなのあるんだ!」って感動が大きいじゃないですか。事前に調べていたら、そのワクワク感がなくなっちゃうのと、ガイドブックやネットに出ているところはみんなが行くから、同じところに行くのは面白くないなと思っちゃうんです。だから、現地で観光ガイドさんを頼むときも、「観光客が行かないところ」とお願いするようにしています。現地の人たちが行くような小さな美術館とか、ちょっと気晴らしに行く公園とか、そういうところに行きたいんです。先ほど、竹下さんが、人それぞれにウェルネスがあると言っていましたが、旅行もその一つ。そして、旅の仕方もそれぞれだと思います。まあ、最終的にはガイドブックを見てしまいますがね(笑)。

竹下 でも、現地の人々と交流することで、ガイドブックには載っていない体験ができるというのは、その通りだと思います。僕も、旅先ではなるべく現地の人と会って、その土地の生活文化に触れるように心がけています。以前、イタリアの友人のご実家に遊びに行ったときは、友人宅が持っている畑で採れた野菜で作ったマンマの手料理をいただきました。「そこの畑で採れたトマトでソースを作って、バジルは隣のお宅からもらってきたもの。日本から友人が来ると聞いて、いい肉を仕入れておいたんだよ」と言いながら作ってもらった料理は、それはもうめちゃくちゃうまいですよね。旅を通して現地の人たちの生活が見られるのも、旅の醍醐味だと思います。

デポルターレクラブ代表 竹下雄真 | たけした ゆうま

会員制トレーニングジム「デポルターレクラブ」代表。1979年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。早稲田大学スポーツ科学研究科修了。都内パーソナルトレーニングジムにてトップアスリートをはじめ多くの著名人の肉体改造に携わる。そのほか、慶應義塾大学SFC研究所上席所員、早稲田スポーツビジネス研究所招聘研究員、経済産業省地域×スポーツクラブ産業研究会委員などを務めている。著書に『外資系エリートはすでに始めているヨガの習慣』(ダイヤモンド社)、『ビジネスアスリートのための腸コンディショニング』(パブラボ)などがある。

https://www.deportareclub.com/

デポルターレクラブ代表 竹下雄真 写真

麻布台クリニック理事長 髙田哲也 | たかだ てつや

医師・医学博士。医療法人社団なかよし会理事⻑(日吉メディカルクリニック・麻布台クリニック)、医療法人社団侑芯会会⻑、医療法人社団こうかん会理事、慶應義塾大学医学部内科学教室特任助教。1975年生まれ、神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学医学部卒業。「多くの医師との連携を躊躇せず、患者さんに安心の医療を提供する」をモットーに、外来診療や産業医活動を行いつつ、医療機関の経営にも携わる。「グッドドクター」「監察医朝顔2」など、メディアでの医療監修も多数。

https://www.azabudaiclinic.com

麻布台クリニック理事長 髙田哲也 写真

写真 細田純平
取材・文・編集 服部広子

次回の「旅で解放する」は7月30日(火)配信予定。クリエイティビティと旅の相関性についてお届けします。