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習慣こそココロとカラダの変化の鍵 人生100年時代のウェルネスライフ

習慣こそココロとカラダの変化の鍵 人生100年時代のウェルネスライフ

LIFE STYLE 旅で解放する

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トップアスリート、アーティスト、経営者が通う会員制パーソナルトレーニングジム「デポルターレクラブ」代表の竹下雄真さんが、各界のトップランナーと対談し、旅を通したウェルネスや仕事術、地方創生などのお話を伺う新連載が始まります。

第1回のゲストは、“ウェルネスのトータルプロデューサー”を目指す医療機関「医療法人社団なかよし会麻布台クリニック」(東京・港区)の理事長、髙田哲也先生。デポルターレクラブと麻布台クリニックは、メディカルとウェルネスの両面から人々の健康管理をサポートするため「Medical +Wellness Course(メディカル+ウェルネスコース)」を開発。医師とトレーナーの連携によるウェルネスの新たな形を創出しました。

そこで今回は、髙田先生に「ウェルネスと旅」をテーマに、医師が考えるウェルネスやご自身の健康習慣、そして旅を通したウェルネスの実現についてお話を伺います(全5回)。

人生100年時代 健康的な生活習慣なしに長寿はない

竹下 髙田先生が理事長を務める「麻布台クリニック」では、患者さんのウェルネスを生涯にわたり支援する“ウェルネスのトータルプロデューサー”を目指していると聞いています。

ウェルネスとは、簡単に言えば、“よりよく生きる”みたいなことですが、病気にならないとか、体力があるといったことだけではないと思います。アートを楽しむことも、自然を愛しむこともウェルネス。トレーニングも食事も楽しみ、さらにパーソナルジムなどのコミュニティから社会的な人と人とのつながりが生まれることも、“よく生きる”ということです。そのように、ウェルネスは人それぞれにあると思いますが、医師の立場から見たウェルネスとはどのようなものですか?

高田 竹下さんがおっしゃるように、ウェルネスとは、単に病気かどうかで健康を考えるのではなく、よりよく生きようとする生活態度や、いきいきとした人生を目指すことを指していると思います。医学的には、いわゆる“未病”における対策となりますが、当院がウェルネスに力を入れるのも、病気になる前の健康管理や予防医療がとても大切だと考えるからです。

近年、「人生100年時代」と言われていますが、自ら健康的な習慣を続けていかなければ、長寿は実現できません。医療費はますます高騰していますし、高齢化社会を踏まえ、健康的な生活態度を習慣化するための取り組みは急務です。そのため、当院では健康診断や人間ドックなど多様なコースを用意し、患者さんのニーズにお応えしています。身体的にも、心理的にも、社会的にもトータルに幸福な状態を目指すことがイコール、ウェルネスだと思います。

腸内環境を整え 心身を良好に保つ

竹下 髙田先生ご自身で実践しているウェルネスや日常生活で取り入れている健康習慣などはありますか?

髙田 健康のために気をつけているのは、やはり食生活ですね。野菜を多く摂ることはもちろんですが、味噌や納豆、漬物、キムチなどの発酵食品を毎日食べるようにしています。発酵食品を食べることで腸の働きがよくなり、腸内環境が整えば脳によい影響を与える。腸がよくなれば、心や身体をよい状態に保つことができると考えています。

竹下 デポルターレクラブの会員の方には、プロで活躍するトップアスリートも大勢いますが、彼らのハイパフォーマンスを支えている要因の一つは、やはり腸なんです。先生がおっしゃったように、体と心は密接にリンクしていて、腸がその結び目の役割を果たしている。なので、腸内環境を整えること、つまり、“腸コンディショニング”は非常に重要です。腸が変われば、必ずフィジカル、メンタルともに変わるんですよね。

髙田 脳と腸が常に双方的に関わっていることを「脳腸相関」といいますが、ストレスがあると腸の動きが悪くなり、その逆も同様。腸内環境を整えるための良質な食事というのは、ウェルネスの実現には欠かせないと思います。

食事は三大栄養素の割合がポイント

竹下 髙田先生はお酒がお好きだと聞いていますが。

髙田 飲み会にも行ったり、週末は家で妻と晩酌をしたり、ほぼ毎日お酒を飲んでいますね(笑)。ただ、そのぶん食事には気をつけていて、できるだけ糖質を控えるようにしますし、特に夜は、炭水化物や脂質が多いものは摂らないように意識しています。お酒を飲んでも、揚げ物などは控え、豆腐や刺身などタンパク質が豊富な食材を使ったおつまみを食べるようにしています。 

竹下 専門的な話をすると、三大栄養素といわれるタンパク質、脂質、炭水化物の割合をどう摂るかが、身体づくりの決め手となります。脂肪が多い食事の方はぽちゃぽちゃタイプ、糖質が多い食事の方はパンパンに張ったイメージの身体、タンパク質が多い方は細身の身体に。

僕らトレーナーは、一人一人の目的に応じて、3つの配合をどうするかが問題で、その食事を続けていただくようにしています。食べるということは人間の根幹を作ることなので、実は、トレーニングよりも重要なんですよ。よいものだけを、美味しく、気持ちよく食べていれば、そもそも身体なんか太らないと思います。食べ過ぎたときは、あとで帳尻を合わせるだけなので単純な話ですが、カツ丼のカロリーを運動で消費しようとすると、かなり長時間やらなくてはならない。

ダイエットのために手っ取り早いのは、食べもののカロリー量と、加齢で代謝が落ちていくことを考慮した運動量とのバランスです。ダイエットや健康については間違いなく食事が効果的。運動は、自分がどういう身体にしたいのかをデザインするときや筋肉をつけたいときに有効だといえます。

デポルターレクラブ代表 竹下雄真 | たけした ゆうま

会員制トレーニングジム「デポルターレクラブ」代表。1979年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。早稲田大学スポーツ科学研究科修了。都内パーソナルトレーニングジムにてトップアスリートをはじめ多くの著名人の肉体改造に携わる。そのほか、慶応義塾大学SFC研究所上席所員、早稲田スポーツビジネス研究所招聘研究員、経済産業省地域×スポーツクラブ産業研究会委員などを務めている。著書に『外資系エリートはすでに始めているヨガの習慣』(ダイヤモンド社)、『ビジネスアスリートのための腸コンディショニング』(パブラボ)などがある。

https://www.deportareclub.com/

デポルターレクラブ代表 竹下雄真 写真

麻布台クリニック理事長 髙田哲也 | たかだ てつや

医師・医学博士。医療法人社団なかよし会理事⻑(日吉メディカルクリニック・麻布台クリニック)、医療法人社団侑芯会会⻑、医療法人社団こうかん会理事、慶應義塾大学医学部内科学教室特任助教。1975年生まれ、神奈川県横浜市出身。慶應義塾大学医学部卒業。「多くの医師との連携を躊躇せず、患者さんに安心の医療を提供する」をモットーに、外来診療や産業医活動を行いつつ、医療機関の経営にも携わる。「グッドドクター」「監察医朝顔2」など、メディアでの医療監修も多数。

https://www.azabudaiclinic.com

麻布台クリニック理事長 髙田哲也 写真

写真 細田純平
取材・文・編集 服部広子

次回の「旅で解放する」は6月14日(金)配信予定。健康やウェルネスの秘訣となる習慣化についてお届けします。