祖父母と刻む七五三の家族の記憶 成長の節目に飛行機で帰省を
飛行機に乗って七五三詣

千歳飴(ちとせあめ)は生まれてからは相当な本数を舐めている自覚があるのだが、自身の七五三の記憶が定かではない。半世紀以上前のことだから覚えていなくてあたりまえといえばそれまでなのだが、北海道の生家の近くの写真館で撮影した羽織袴(はおりはかま)姿の当時はまだ珍しかったカラー写真が残っているので、間違いなくお祝いはしてもらっているようだ。
両親からの「長く健やかに育つように」という願いは充分すぎるほどだったと思われる。しかし感謝しようにも、すでに虹の橋を渡ってしまった。自分が歳を重ねてみて、あの時もっとこうしておけばよかったとか、あのタイミングで一緒に過ごせていたらとか、時間を元に戻せたらという思いは尽きない。現世でどれだけ円滑なコミュニケーションをとっておくかが如何(いか)に大事なことかとしみじみと感じるのであった。
孫のために上京する祖父母の難儀さを考えると、七五三は入園式や卒園式と違って実家でもできる行事なので、家族全員で飛行機に乗ってサクッと帰省、地元の神社にお参りに行って、その後3世代揃って会食というスタイルはアリではないか。成長の節目に祖父母と会い、昔自分も撮ってもらった写真館で子どものソロと祖父母揃っての撮影、その前後に飛行機に乗るという一連の体験は、子どもの記憶に深く刻まれることだろう。
撮影した写真を額装してリビングに飾ったり、今の時代なら撮った動画を何度も反復再生することで子どもの記憶の風化を防ぐことができる。親が子どもに対して適度に刺激を与え続けていくことは大事だ。と同時に、子どもから年老いた親への刺激も継続的に与えていくことが大切だ。
膝の上に乗せて無料で搭乗できた頃の記憶など、子どもには残っているはずもないが、何かにかこつけて子どもたちと飛行機に乗る体験を積極的に重ねてきたパラダイス家だったが、実家での七五三は諸々のタイミングが合わなくて叶わなかった。

厳密な習わしでは11月15日が正式な参拝日だが、11月中に神社にお参りをすればよい。新千歳空港から車で10分のところにある、千歳という地名と関係が深く、由緒正しい千歳神社で祈祷を受けるというのも、飛行機大好き家族におすすめしたい。千歳川のほとりの千歳市街を見下ろす高台の公園の一角にあり、支笏湖(しこつこ)の伏流水である御神水「幸井(さちい)の水」が湧き出ていてペットボトルに入れて持ち帰ることができる。
七五三とか、子どもがいるいないに関係なく、厄除けや商売繁盛の守護として地元に密着した神社なので、搭乗まで時間に余裕がある場合はぜひ訪れたい。
〜つづく
イラストレーション ソリマチアキラ
パラダイス 山元 | ぱらだいす やまもと
プロ搭乗客。 ANA ミリオンマイラー。音楽家。餃子レストラン「荻窪餃子 蔓餃苑」オーナーシェフ。著書に『読む餃子』、英語版・フランス語版餃子レシピ本『GYOZA』、『パラダイス山元の飛行機の乗り方』『なぜデキる男とモテる女は飛行機に乗るのか?』などがある。全国各地で開催中の「皮からつくる本気の餃子づくり教室」などの出演イベントの詳細は X(旧Twitter) で発信中。
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